Sakura Archives

競馬回顧 2002年2回中京・4回東京

中日スポーツ賞 ファルコンステークス(GⅢ)

サニングデール

デビュー当時から馬は目立っていたが、今日もそのまま。スタート互角も、位置取り構わず折り合いにだけ気を付けて、3角で中段位置。上手く馬群がバラけ外に出せたのも良かったが、今までにない新味を見せてアッサリ。如何にも人気を気にしない福永騎手らしい乗り方で、前日のビリーヴでの借りを返した形。

サダムブルースカイ

トモの張りは良かったが、ちょっと気性が若い。道中は後方で、馬場の中程。良いところを選んではいるが、こういう馬場は基本的には苦にしないのだろう。デキも有ったが、良く伸びている。

テイエムサザンオー

イレ込みキツいも、毛ヅヤ良好。真っ先に馬場の良いところへ出して、最後方に近い位置から。定跡通りに4角も大外、サニングデールに連れる形で良く伸びているが、あと一歩。

オースミエルスト

シープスキンノーズバンドを外す。馬体絞れていたし、そして気合も乗っていて、今日はデビュー以来一番良く見えた。珍しくゲート失敗して後方から。普段は力んで走る馬だが、今日はむしろオッツケ気味の追走、久々のスプリント戦に戸惑っていた面もあって、ジリジリとしか伸びず。

シゲルゴッドハンド

ちょっと気負っていた。前で流れに乗っていたが、ちょうど今日のジョウテンブレーヴと同じ様に4角一気に脚を使って先頭。この競馬でも、1800m戦だとこの位馬場が悪くても何とかなるものだが、スプリント戦では後ろの餌食になってしまう。

ツルマルファイター

将来性は有るだろうが、如何せん気性が若い。後方から4角外に出したものの、サッパリ。

グリーリーランド

好馬体で、如何にもスプリンター。一本調子の馬で、どうしてもこういう馬場は辛いのだが、新潟の直線競馬ならば相当やれる筈。

タイキリオン

見た目はニュージーランドトロフィーと大差無いが...。大外枠は願ってもない好材料だった筈だが、4角で既に競馬を投げていた印象。決して力負けではないと思えるだけに、やはり気性の問題なのだろう。

メジロマイヤー

前走派手にイレ込んでいたが、今日は落ち着いていた。枠順が全て。

エプソムカップ(GⅢ)

ジョウテンブレーヴ

今日は何時に無くチャカついていたが、この馬煩ければ煩い程デキが良い。蛯名騎手、戦前は折り合いを心配していた様だが、前走と前々走のマイル戦も今日より遅いペースで流れていたにも関わらず折り合っていただけに、今日も別に何ら問題なく折り合えていた。3〜4角中間で一気に動いて4角先頭。あとはそのまま押し切ってしまったが、やはりこの馬、マイラーズカップ時に指摘した通り、下手に矯めるよりは一気に突っ走った方が持ち味が生きる。

エアスマップ

休み明けだけにコレ位でも良いが、ちょっと重いし、歩様がガタガタ。好発馬。インの馬場状態が悪いだけに、どうするのかと思っていたが、2角で上手く外に出せて、折り合えた。ただ、今日の好走要因はちょっと別のところにあって、4角でジョウテンブレーヴが外から一気に来た時に、この馬はジョウテンと距離を置いていて我慢していたこと。如何にも横山典弘騎手らしいこの矯めが最後にもう一伸びを利かせている。

ジェミードレス

今日は絶好調といって良いデキ。スタート直後に挟まれる不利があって後方から。それでも折り合えていたし、今日は押さえるだけ押さえて、マイルの競馬をしていた印象。東京1800mは前が止まらないだけに、中々辛い点も有るのだが、それでもここまで詰めている様に、決め手はそれだけのモノがある。

アドマイヤカイザー

踏み込み浅いが、毎度の事。こちらはエアスマップとは対照的に、枠順通りにインを突いたが、この馬トモを淋しく見せて非力さを感じさせるだけに、荒れ馬場は良くない。1800mしか走らない馬で、それなりに格好はつけているにせよ、この馬本来の切れは見られず終い。

ビッグゴールド

今日は何処も悪くなかった筈だが...。道中スローにも拘らず、オッツケ通し。最後来てはいるが、デキが無かったとしか思えない。

キングフィデリア

馬体減。イレ込む。新潟戦と中京戦を見るにつけ、小回りで後続に早目に来られるよりは、広いコースでスローに流れた方がこの馬には合っている筈。従って今日はこの馬向きの流れではあったが、ジョウテンブレーヴが早目に来てしまって苦しくなってしまった。

ダイヤモンドビコー

多少チャカつくのは毎度。ただ、ゲート前で妙に気負っていたのが気になったが、レースに行ってもそのまま気負っていた。スローになると、どうも折り合いの心配が付き纏う。

ダービーレグノ

エアスマップ同様に重い。それにしても、全く反応するするシーンも無かったが。

シンコウエドワード

何時もながら品のある綺麗な馬なのだが、馬が立派過ぎる。ジェミードレスと同じ競馬をしているのだが、この馬の場合良い脚が一瞬しかないだけに、最後まで脚が続かない。

テレビ愛知オープン

ネイティヴハート

全盛期の馬体ではないが、ここでは馬が抜けている。外枠で流れに乗っていたが、この馬としては何時もよりも前での競馬。直線も弾かれた様にして伸びて来たが、やはりスプリントだとイチかバチかではない競馬が出来る分、合っているといえそう。ただ、遮眼革の効果で集中力が出てくる様だと1600mまではこなせる可能性もあるが、今日のところは単純にスプリントが合っていたのか、遮眼革の効果が有ったのかは良く分からない。

サイキョウサンデー

一息入った形だが、決して悪くない。目隠しをされていたが、ゲート入り梃子摺り出遅れ。とはいえ、これで作戦が明快になって最後方からジックリ乗れた。ネイティヴハートが強過ぎた分2着だが、先行勢は捕らえていて一応地力は見せた。

キーゴールド

若干重い印象だが、これは普段通り。こちらは反対に最内の中段辺り追走。直線インから差してきたが、最初外に出そうとして、差し場が無くなってインを突く形になっただけに、そのままならばと悔やまれる。インの馬場状態は見た目には悪いが、ローラーが掛かっているだけに、一番内へ潜り込んでしまうと意外と何とかなってしまう。

ユーワファルコン

まだ緩く映る。スタート平凡だったが、押してハナ。結構コスられたが、この馬は比較的コスられ慣れているだけに、意外に渋太い。内枠でローラーが利いている最内ピッタリを通ってきたのも良かっただろう。

テンシノキセキ

暖かくなって歩様も良くなったし、毛ヅヤも良くなった。好発馬も、無理には行かずユーワファルコンへハナを譲る形。ただ、先行して中途半端に外へ出そうとすると、どうしても目標にされる不利が有る。

ビリーヴ

気合乗っていたし、馬体も充実。人気である程度は仕方が無かった面も有るが、中途半端に先行してしまい、馬場の良い所を選べずに競馬してしまった。枠順もアダ。

農林水産省賞典 安田記念(GⅠ)

アドマイヤコジーン

毛ヅヤは前走の方が良かった気がするのだが、歩様スムーズだし、この馬としては落ち着いていた。先行グループはゴッドオブチャンスにハナ切らせるつもりだった様だが、そのゴッドオブチャンスが出遅れ、途中からハナへ立つ形になっただけに、このメンバーとしてはスローな流れ。これを好発馬と大外枠のメリットを存分に生かし、流れに乗ったのがこの馬。適度に上がりが掛かる馬場だったのも利いているが、今日は堂々の横綱相撲。気性の問題でスプリントを使われていたが、やはりこの馬、落ち着きさえ出ればマイルが一番力を発揮出来る。

ダンツフレーム

まだ重目に映るのは事実だが、馬体が締まってきたし、今日は気合が一変。折り合いをつけて後方から、やはりマイルでもズブい印象なのだが、それでも大外から力強く伸びてきた。結果的に今日はスローに泣かされたという事になる訳だが、とはいえ最近のマイルの流れは得てしてこんなもの。従って前が止まる2000m位がベストだと思うが、如何せん今年は天皇賞・秋が中山開催。恐らく、今春同様の高速馬場が予想され、この馬向きではないだけに、海外に新天地を求めた方が可能性は高い。

ミレニアムバイオ

下見に入ってきた時は派手にイレ込んでいたが、周回重ねる毎に落ち着いてきた。荒れ馬場も苦にせず、上手に走っていたが、抜け出してからソラを遣ってしまって、外からの強襲。確かに直線前が壁になるシーンも有ったが、ソラを遣うのはこの馬のクセらしいので、スムーズに抜け出していても強襲を食らってしまっていた様に思える。どうしてもこういう馬場だと内外離れてしまうだけに致し方ないのだが、ツキが無い。

グラスワールド

もっとコズむと思われたが、意外にマシ。直前に鞍を置き直してテンションが一気に上がってしまった様で、折り合いを欠いてしまった。ただ、その割には良く来ていて、目下の充実振りをアピールするには充分の内容。秋が楽しみになった。

エイシンプレストン

見た目にはデキは悪くない筈だが、気合不足。この影響なのか、スタート自体はマトモでも、何か流れに乗り切れなかった印象。勝負どころでインに閉じ込められてしまって、馬場の悪いところを通らされたのも痛い。それでもバラけてからは来ていて、地力の一端は見せているだけに、尚の事順調ならばと悔やまれる。

トロットスター

珍しく一人で曳いていたが、ジョッキーが乗ったら気合一変。正直、まだ重苦しく映るにせよ、戦前はこれならばと思えたが...。ダンツフレームと前後する位置で、折り合いもついていたにも関わらず、伸び切れない。結果論だが、一人で曳いていた割には発汗激しかっただけに、当日気温が上がってしまったのが応えたか...。

ゼンノエルシド

相変わらず良く見せる。スタート悪くなかった筈だが、どうも行き振りが悪く、マトモに揉まれてしまった。唯でさえ外から被されると脆いだけに、こうなるとサッパリ。

ユニコーンステークス(GⅢ)

ヒミツヘイキ

ここでも馬体は最上位だし、ダート馬にありがちな歩様の硬さが無いのが良い。戦前懸念した通り、やはりスタート直後の芝で戸惑っていたが、ダートに入ってからは水を得た魚の様にスッと2番手に取り付いた。結構ペースも速かったが、スムーズに折り合い、4角先頭。あとはそのまま押し切って完勝。評判通り、左回りは強い。

インタータイヨウ

姿勢が高く、シープスキンノーズバンド着用の馬だが、絞れて好気配。道中は砂は被っていたにせよ、あまり気にするタイプでないのだろう、嫌がるシーンも無かった。位置取り的にも、全後半3秒違っていてペース的にも結構速かっただけに、問題無かった様に思う。それでも届かなかったのは、如何せん勝ち馬が強過ぎたからだが、この馬自身も時計に課題があるタイプで、しかも一頭だけで追い込む形になってしまったのも応えているだろう。

ディーエスサンダー

道中は追走に汲々として、若干置かれ加減。終始外を回されたのだが、ズブいタイプだけに、内枠で小脚を使わされても良くないので、どっちもどっちといった印象。最後まで渋太く詰めてはいるが、もっと上がりが掛からないと辛い。

アサクサデンエン

一息入って+10kg。やはり見た目にも重目に映る。内枠で、モロに砂を被って、揉まれ込んでしまった。直線インを突いて伸びているが、重い分止まった印象。次走絞れて来れば要注意。

サクラハーン

好発決めてハナへ。オーバ−ペースだったが、単騎だけにこれで良いのだろう。欲を言えば、もうちょっとヒミツヘイキに可愛がって欲しかったところだが、良く頑張っている。

サードニックス

デキは良かったが、不利が全て。

東京優駿(GⅠ)

タニノギムレット

NHKマイルカップ時にはそういう素振りは無かった筈だが、明らかに歩様が悪い。ただ、武豊騎手独特の魅せる返し馬、それに馬が泰然自若といった感じで応え、この段階で誰が勝つかは見えていた。道中はスローだが、縦長のバラける展開。向正面では既に外に出せていた。例に依って勝負どころから追い通しなのだが、日本人好みの馬だけに、この辺はさしずめ物語のスパイス。戦前の話通りに大外へ出して、ジワジワだが力強く伸びて完勝。正直なところ、今後に関して多少考えなくてはならない点もあるのだが、今それを述べてしまうのは野暮だろう。今日のところは、当欄で常に絶賛し続けた松田国英調教師の手腕を改めて讃えたい。

シンボリクリスエス

馬体も絞れ、現状望み得る最高のデキ。道中は中段位置。スローで多少行きたがっていたが、前に壁を造って上手く宥めたといえる部類。タニノギムレットとは対照的に4角も手応え良く、フラつきながらも、先行グループを捕らえたところがゴールだったが、その時には既に勝ち馬が外からゴールを駆け抜けていた。目標にした前の馬は一応捕らえているだけに、岡部騎手しっかり自分の仕事は出来た筈だが、しかしレースがレースだけにやはり悔いは残る。

マチカネアカツキ

馬体には元々定評が有るが、この雰囲気でも物見をする落ち着き振り。中段のインで折り合いをつける策。縦長になり揉まれずに済んだのも幸いしているが、何より前がガラ空き。そのままインを突いて一瞬は先頭だったが、決め手で見劣る分と、叩き合いで渋太さを発揮するタイプだけに、外から一気に来られたのが痛い。ただ、この相手でも持ち前の堅実さが発揮出来た訳で、まだまだ奥はありそう。

メガスターダム

普段よりはイレ気味も、これがGⅠといったところ。ニホンピロウイナー産駒にしては馬体に幅が有り、このタイプならば確かに距離は保つ。戦前はもっと後ろから行くと思われたが、所々で行きたがってしまって、予想よりは前目の位置取り。プリンシパルステークスの印象では、ビュッという脚を使う印象だったが、今日はやけにジリっぽい。やはりこの辺が折り合いを欠いた分なのだろう。

ゴールドアリュール

多少トモが甘い様に見えるが、馬のスケールはトップクラス。前で流れに乗っていたが、かなり強気に乗って早目の仕掛け。ちょっと早過ぎた分、インにモタれた嫌いも有るのだが、タニノギムレットを思うとこれはこれで仕方が無い。スローに助けられたとはいえ、シンボリクリスエスとはアタマ+アタマ+クビの僅差。最早一つ位GⅠを勝つのは当然の話で、芝かダートかどちらのGⅠを先に勝つのかが当面の焦点。

ノーリーズン

相変わらず馬が硬く、ここへ入ると多少華奢。直線はともかく、道中そうは見えなかったが、インにモタれ通しだった様だ。レース後に骨折が判明したが、如何に道中が窮屈だったかを証明している。

タイガーカフェ

これもまだトモに力が付き切っておらず、成長途上。折り合いついて何の不利も無かった筈だが、伸び切れない。ここらが現状の限界。

テレグノシス

今日何時に無くテンション高かったのだが、その割にはスムーズに運べたし、4角もシンボリクリスエスと一緒に上がってきて、手応えはあった。トニービン産駒にしては、良い脚が長く続かないタイプ、やはり距離だろう。

モノポライザー

馬体重こそ増減無しだが、今日は前走よりフックラ。道中もスムーズに折り合えていたが、その割に伸び切れない。これも現状の能力がこんなものなのだろう。

金鯱賞(GⅡ)

ツルマルボーイ

中京記念時と同じ位良く見せる。道中はこれでもかという程に、エアシャカールを徹底マーク。3〜4角も連れる様に上がって行き、直線は半ばで捕らえて突き放した。目下の充実振りは著しく、確実に力をつけてきているだけに、決して左回りだけが勝因ではないだろう。

エアシャカール

唯一のGⅠ勝馬、流石に馬は1枚抜けているし、今季は落ち着きが出てきた。前走は先行したが、今回は3歳時と同じ様に後方から早目にマクッて行く競馬。ただ、ダービー時と同じ様に執拗にマークしていた馬が一頭。ヨソ行きではない、普通の競馬をして負けたのだから仕方が無いが、ここらが人気馬の辛さ。

ユノピエロ

何時も良く見せる馬だが、加えて今日は落ち着いていた。これも後方からで、ツルマルボーイをマークしていたクチ。折り合いついていたし、展開的には完璧にハマっていたが、エアシャカールにつけられた5馬身差が現状の力量差。

ブリリアントロード

踏み込み浅いが何時もの事だし、今日は毛ヅヤが冴えていた。この馬の場合、ハイペースを前で粘り通すイメージの方が強いが、今日は後方から終始オッツケ通し。4角でエアシャカールやツルマルボーイと同じ様に上がっていけないところが、この馬の辛さだが、それでも最後までジワジワ伸びていた。レース内容は大分良くなって来た。

アサカディフィート

勝って更に上昇。アンブラスモアと共倒れにならない様、内外離していたが、1000m通過が57.8秒で、マイルGⅠの様なラップ。この馬、こういうラップの方が合っているし、ここまで速くなると意外に先行馬は頑張りが利くものだが、この相手を思うと立派。

ロサード

良い時はもっと良く見せる筈で、休み明けから使っていく毎にデキが落ちていっている。3角辺りからの反応も悪かったし、デキがないのが全てだろう。

優駿牝馬(GⅠ)

スマイルトゥモロー

稽古やれていて、馬体細化無かったクチだが、煩いのは相変わらず。ゲートをフワッと出して後方から。1角辺りまでは多少行きたがっていた様にも見えたのだが、吉田騎手が前と外に馬を置いてインに押し込んだら、意外と折り合いついてしまった。あとは明鏡止水といった風情で、4角も他馬が外へ回す中を一頭だけ直線まで我慢。このペースの割には直線もバラけてくれ、真ん中のスペースを割って持ち前の瞬発力を発揮。初めてこういう競馬をして大舞台で応えた馬も立派だとは思うが、何より今日は吉田騎手の我慢を讃えたい。

チャペルコンサート

何時もよりは落ち着いていたし、馬を大きく見せて、伊達にノーリーズンをアオっていない。こちらは好位のインで折り合う教科書通りの競馬。流れに乗り切ったのは確かだが、普通に競馬をしてもここでは厳しいと思われていただけに、余程デキが良かったのだろう。非力で、馬場が乾いてくれたのも幸いしている印象。

ユウキャラット

初コースで物見をしていたが、暴れる素振りも無く相当賢い馬なのだろう。サクセスビューティに行かせて2番手の形も、やはりハナ切らないと馬が力んでしまう。それでも流石にスタミナが有るのか、坂下でサクセスビューティを交わした時は逃げ込み体勢で、最後まで良く抵抗。地力の一端は窺えたのだが、このレースはクラシックの中でも、内容よりも結果が全てといった感が一番強いだけに、悔いを残さない為にもハナ切るべきだった。

マイネミモーゼ

期待通りのプラス体重。デキは良いと思ったが、ここに入るとスケールの点で見劣ってしまう印象。道中はチャペルコンサートの直後、4角まではそのチャペルコンサートに連れる形だったが、直線でインを突いたのが好判断。一瞬、突き抜けるかのシーンまで作ったのだが、そこからがジリっぽい。確かに一瞬の決め手に欠ける嫌いが有るのは否定出来ないのだが、力量互角ならば少なくともユウキャラットは捕らえていた筈。ここらが1勝馬の限界なのか...。

シャイニンルビー

数字は期待通りだが、イラついていた。中段の馬込みで折り合いをつける策だが、多少行きたがっていた。一番人気でも前に行けないところを見ると、やはりマトモに調教出来なかったのが応えていて、スタミナの絶対値が足らないのだろう。どうも中途半端になってしまった感は否めない。恐らく人気薄ならば、スマイルトゥモローやブルーリッジリバーの様な決め打ちした乗り方だった筈で、そうしていればまた結果も違っただろう。

ブリガドーン

マイナス体重でイレ込みだったが、こうやってイレ込むとゲートでポカが有る。後方でそのまま我慢していたが、馬場がパンパンに乾いていただけに、こうやって外に出すと伸び切れない。元々この馬はスローも合わないが。

ブルーリッジリバー

煩いのは相変わらずだが、思い通り攻め馬出来た様で、完全にトモの非力さは消えた。決め打ちしてポツンと離れた最後方からの競馬。4角までそのまま我慢して、直線だけ外に出したが、伸び切れず。今日の流れであの位置では、勝ち負けに絡むのは無理だと解っていた筈だが、それでもこの策しかなかったのだろう。やはり距離が長いとしか言い様がない。

東海テレビ杯 東海ステークス(GⅡ)

ハギノハイグレイド

今季はスカッと見せる様になっているが、如何にも松田国英厩舎らしい馬体になってきた印象。1周目の4角辺りで行き場が無くなって後方から。徐々には進出していたが、2周目4角でもまだ中段。渋化残る馬場だけに、この段階では完全に届かないと思ったが、それでもハナだけ差し切った。まあレコード駆けとはいえ、時計自体はそれ程でもないと思うのだが、今日の内容はここでは一枚力が違う印象。ただ、オースミジェットやノボトゥルー程ではないにしても、どちらかといえば中央の軽い馬場の方が成績が良い馬、大井の猛者を相手にすると多少分が悪い気もするのだが。

ワンモアマイライン

前走時と変わらず、多少煩い程度。道中は、逃げたカネツフルーヴ、2番手のアルアランを行かせて、3番手。多少行きたがってはいたが、後ろに前走酷い目に遭わされたハギノハイグレイドがいると、これ以上深追いし辛い立場。決め手不足を補うべく、かなり早目に仕掛けて、2周目3角辺りから進出。直線半ばでアルアランを競り落とし、完全に勝ちパターンだったが、ハギノハイグレイドの強襲。この馬自身も4kg増で良く走っているといえるが、早目に動かなくてはならない辛さも有ったし、何より今日は勝ち馬が強過ぎた。

アルアラン

押せ押せで使われているが、更に良くなった印象。本田騎手も意図的に外を回ったりと必死で宥めているのだが、1角まで引っ掛かっていた。直線だけ見ると意外にダラしなかった印象なのだが、アンタレスステークスで時計にもメドを立てているだけに、決して時計では無いだろう。やはり、前半のロスが応えたとしか思えない。

タガノフォーティ

歩様が硬いのは何時も通り。行きたがっていたし、いざ動こうとしたら前が壁だったりと、チグハグな競馬。ただこの馬 、どちらかといえば直ぐに競馬を投げてしまうタイプ、その割には諦めずに走っていたし、ひょっとしたら左回りの方が合っているかも。

カネツフルーヴ

相変わらず覇気が無いのだが、馬体は素晴らしい。行くだけ行って、思い通りの競馬は出来た筈だが、決め手の無いワンモアマイラインに早目の競馬をされて苦しくなった。今日のところは仕方が無い。

ミツアキサイレンス

多少煩い様に見えるが、この馬は何時もこんな感じ。多少オッツケ気味だったにせよ、2周目3角までは良い感じで運べていた筈だが、4角でバッタリ。こういう馬場は良くないのか?

リージェントブラフ

多少重い嫌い。この馬、時計速くても意外と対応出来るのだが、小回りでなし崩しに脚を使わされると辛い。

農林水産省賞典 目黒記念(GⅡ)

トシザブイ

馬体絞れ、デキ上向き。馬場を気にした様で道中は全く走る気が無く、後方からの競馬。3角で既にステッキが飛んでいて、丸々1周押し通し。ところが、坂下辺りで突然走る気を出して、道中遊んでいた分を一気に挽回するかの様な伸び脚。終わってみれば天皇賞最先着馬だが、地力が優ったというよりは、何か良く分からないままに勝ってしまった印象の方が強い。

アクティブバイオ

前走イレ込んでいたが、今日は落ち着いていた。中段の外から、折り合いをつける競馬。かなり動くのが早いのだが、ただこの馬の場合、日経賞を見ても分かる通り、瞬発力があるというよりは並んで渋太いタイプだけに、これはこれで良かった。最後2着争いが面白くなったが、その渋太さを生かして粘り込む。戦前はハンデが軽過ぎる点が却って不安になったが、前走は決してフロックでない事を改めて証明した。

セイコーサンデー

戦前関係者がコメントしていた通り、絶好のデキ。行き振り良く、道中はアクティブバイオの直ぐ前。レディパステルを目標にして動いて行ったが、外からアクティブバイオが来て、3頭併せの真ん中。叩き合いでは結構脆い面も見せているだけに、この形はこの馬にとっては多少辛い筈だが、今日は流石にデキが違うのか最後まで頑張っていた。道悪にも関わらず、良く走っている。

レディパステル

普段よりは落ち着いている。好発馬、持ったままで好位へ取り付き、そこで折り合う形。先団5頭が前でやり合い、それをちょっと離れた位置から眺める競馬で、位置取り的には絶好だったが、セイコーサンデーとアクティブバイオの目標にされて早目に動く羽目になってしまった。牝馬でこの形になってしまうとどうしても辛いだけに、今日は良く頑張っていると思える。地力強化の一端が窺え、現役牝馬では明らかに最上位の能力を持っている。

タップダンスシチー

ケイエムチェイサーに行かせて2番手で折り合うつもりだった様だが、向正面で外からチカラダユウキやプレミアムバラードに来られ、折り合いを欠いてしまった。それでも直線は抜け切るシーンまで造ったし、とにかくデビュー以来掲示板を外したのが2回しかない馬、堅実さは流石。

トウカイオーザ

見た目は細くない。追い通しなのは何時もの事で、今日はこの馬向きの上がりの掛かる展開だったのだが、伸び切れず。道悪が合わなかったとしか思えない。

フサイチランハート

休み明けで馬体減。多少煩い。ゲート内で立ち上がってヒヤッとするシーンもあったが、ゲートの出は悪くなかった。中段よりやや後方で折り合いをつけたが、直線は伸び切れず。これも道悪がダメなのだろう。

マチカネキンノホシ

相変わらず気難しい。