Sakura Archives

競馬回顧 2002年2回阪神・2回中山

皐月賞(GⅠ)

ノーリーズン

ちょっと馬が硬いと思ったのだが、ピッチ走法だけにどうしてもそう見える。内枠だったが、行くところ全て前が開いていて、全く揉まれずに競馬が出来た。4角の捌きも完璧で、アグネスタキオンと同じ位置。ここからは昨年のVTRを観る様な感じだった。今日の場合、4角の捌きの上手さが最大の勝因で、正直なところ強いというよりは、競馬が上手といった印象。言うなればジェニュイン的皐月賞馬といえるのだが、無論、この馬の場合は、ジェニュインとは違って距離伸びても平気だろう。

タイガーカフェ

ここに来て成長していて、トモの甘さも大分解消されてきた。普段のデムーロ騎手ならば馬群に入れる筈だが、とにかく戦前から強気だっただけに、馬群の外での競馬。決め手不足なのは否定出来ないだけに、早目に動いたものの、中々相手も渋太く、決勝線寸前で漸くダイタクを捕らえての2着。「芝の深い馬場はこの馬には合わないし、もっとコーナーの大きなコースの方がいいからね。距離が伸びても心配ないので、東京ならもっと走れると思う。(デムーロ騎手・週刊競馬ブック)」

タニノギムレット

この馬の成長力の凄さは散々述べてきたが、重く見せるのも相変わらず。前半1000m通過が59.2秒。いわゆる平均ペースで、しかも内外均等な馬場。これで大外ブン回していてはキツい。松田国英調教師曰く「窮地に立たされてから追い込んで来る日本人好みの馬」だそうだが、反応悪くなる事が解っている以上は、いくら「自分の馬が一番強い」と思っていても前で闘うべきだろう。どんなに強い競馬をしようとも、結果が悪くては何にもならない。

ダイタクフラッグ

シープスキンノーズバンド。まだ絞れる余地。2番手で流れに乗り切ったが、江田照男騎手にこういう競馬をさせると天下一品なのは語り尽くされた話。丁度毎日杯と同じ内容で、揉まれ弱さをカバー出来る競馬が出来れば、意外に踏ん張りが利く印象。

メガスターダム

歩様はスムーズになっていたが、今日はちょっと煩い。馬群の中、結構揉まれていたが、きさらぎ賞でスタート直後に躓くアクシデントが有って、あの時に後方から差す競馬をさせたのが怪我の功名。今日に関しては、直線入り口で狭いシーンが有ってそのロスが大きかった分結果が出なかったが、マトモならば2着争いの一角には食い込んでいた筈で、競馬を覚えつつある段階なのだろう。

アドマイヤドン

結果論だが、デキが足らないのに稽古やり過ぎてしまった印象。馬体減もそうだが、とにかく覇気が無かった。4角で既に手応えが無かっただけに、デキ以外は考え辛い。

バランスオブゲーム

まだ気負う癖が解消された訳では無いが、外に出さず我慢が利く様になってきた。「ジワッと行っているんだが、ちょっと枠が内過ぎた。馬と馬との間に入っていれば、諦めて走る方に気が向くんだけど、内に何もいないとそちらに逃げようという気になるんだ。(田中勝騎手・週刊競馬ブック)」

ヤマノブリザード

2人曳き、胴長でスカッとみせる何時ものこの馬。毛ヅヤも良かったし、決してデキが悪いとは思えない。外枠は良い方に出ると思ったが、どうも他馬に迷惑を掛けてでも馬群を割る競馬をしないと、この馬自身の走る気が出ない模様。そういう意味からも、時計の速い馬場はあまり良くない。

チアズシュタルク

ちょっと馬体の張りに欠ける印象。これもタニノギムレット同様に4角遊ぶタイプの馬、この馬場で外を回らされるとキツい。

ローマンエンパイア

ちょっと歩くのが遅過ぎるのが気になったのだが...。ゲートアオッて後方だが、それよりも今日は、オッツケ通しで行き振りが悪かった。この小回りでスピード競馬、フットワークが大き過ぎるだけに合わないのも事実なのだが、良く解らない。

モノポライザー

現状は良く出来ていると思うし、バネは感じるのだが、まだ全体的に子供。返し馬の後、鞍ズレしたが、その際に多少暴れていた。外からマクッて行く時にインにモタれ加減だったが、この段階で既に一杯だったのだろう。良く言えば切れるタイプ、悪く言えば良い脚が一瞬しかないタイプだけに、この微妙な平均ペースで為し崩しに脚を使わされてしまったのが今日は応えた。

読売マイラーズカップ(GⅡ)

ミレニアムバイオ

上昇一途。元々は気の良過ぎるタイプの馬だったが、前走で折り合いに新境地。今日も中段からの競馬で、前に馬を置かなくても折り合っていた。4角は前が開くまで我慢、前が開いてからの反応は流石にサンデーサイレンス産駒。馬場状態を勘案すれば、出るべくして出たとはいえ、一応レコード駆け、やはり折り合いさえ覚えればこの位の活躍は出来る馬なのだろう。ただ問題は、昨年ジョウテンブレーヴがハマッた様に、安田記念まで微妙に間隔が開いてしまう事。押せ押せで使っているので微妙なのだが、出来れば京王杯スプリングカップを挟みたいところ。

ディヴァインライト

踏み込み浅いのは毎度の話だけに、馬体の張りを強調しておきたい。好枠を生かして前で闘っていたが、これが正解。4角で先頭に並びかけ、直後を追い掛けてきたミレニアムバイオとの叩き合い。最後は勢いの差が出てしまったが、ベテランになって中々強かなところを発揮。

ジョウテンブレーヴ

テンション高いが、もっと煩くて良いし、もっと発汗していて良い。それ位の方がこの馬は結果が出る。道中は昨年とほぼ同じ様な位置取りだったが、矯めても意味が無い馬なので、インをセコくスクうよりは、4角は外に出すべきだった。ああいう競馬をしてしまうと、どうしてもサンデーサイレンス産駒の決め手に屈してしまうのだが、見方を変えれば「まだ本調子でないから、あの競馬を選択せざるを得なかった」とも考えられ、一概には安藤勝己騎手も責められない。

イーグルカフェ

昔から気合を表に出さない馬でその点はともかく、ちょっと歩様が良くない。今日はゲートもソコソコには出ているのだが、ゲイリーコンドルに寄られたてしまって、何時ものパターン。3角辺りからマクって進出してきたが、前が楽をしているだけに、伸び切れず。この馬、中々難しい。

マグナーテン

歩様はパドックを周回中に解れてきたのだが、毛ヅヤ一息。ただ、シルエットは何時ものこの馬、従って許容範囲といえる部類。休み明けで唯でさえ気負っているところへ、ゴッドオブチャンスが来てしまったのだが、その割には良く頑張っている。

ダイタクリーヴァ

やはり500kgを超えると重い印象を与えてしまう。この馬の休み明けは何時もマイナス体重なのだが、今日は珍しくプラス体重。59kgも有るが、結果的に一追い足らなかったという事になろう。

ローズバド

青毛だけにどうしても毛ヅヤは良く見えるのだが、流石に一枚重い。末不発だが、これも重目が応えたとしか。

ゴッドオブチャンス

相変わらず気負う。今日は、まともに持って行かれただけに...。

桜花賞(GⅠ)

アローキャリー

遮眼革外す。母系の影響だと思うが、相変わらず硬い歩様。前走は遮眼革着用で暴走してしまったが、外した今回は阪神ジュベナイルフィリーズの様に折り合えた。この馬とサクセスビューティが同厩だけにそれ程速くならず、平均ペースで前有利な展開だったが、一番弱点の少なかったこの馬に凱歌が上がった形。歩様の硬い馬だけに、雨が降って下が柔らかくなってくれたのも利いているが、首を全く使わない走法だけにやはり距離は保ちそうにない。

ブルーリッジリバー

前走と比べて多少煩い嫌いは有るが、以前と比べてトモもパンとしてきて、少なくとも4頭いたフジキセキ産駒の中では一番良く見える。前に壁が無いと引っ掛かるタイプだけに、前走同様に意図的にゲートを遅らせる。前を壁にして折り合い、4角ロス無く捌いて直線は大外。中々良く伸びたが、最後は作戦が明快な分、シャイニンルビーをハナ差凌げたのだろう。戦前、関係者がベタ爪とコメントしていただけに、滑る馬場にはならなかったのも幸いしている印象。

シャイニンルビー

毛ヅヤは良いので体調自体は良い筈だが、やはり細く映った。内枠だけにもうちょっと前で闘うかと思っていたが、どうも置かれ加減、この辺りがハイペース未経験の辛さ。それでも行き脚ついてからはインをスムーズに上がってこれたし、外を回って来たブルーリッジリバーよりはストレスの掛かる厳しい競馬を強いられただけに、この点も評価出来る。馬体回復が最優先課題だが、クイーンC勝ちの東京、オークスで改めて真価を。

カネトシディザイア

トモが甘いのは毎度だが、これもブルーリッジリバー同様に成長の跡は窺える。こちらは完全に直線勝負で、馬群を割らせる競馬。一瞬突き抜けそうな気配も有ったのだが、3歳牝馬で、坂の苦手なフジキセキ産駒、やはりイマイチ伸び切れない。

ヘルスウォール

返し馬ではまだ煩い面も残っているが、下見でイレ込まなくなってきたのは好感が持てる。大外枠だったが、好発馬でスムーズに流れに乗れた。決め手が無いだけに早目の競馬は当然。従って、思い通りの競馬は出来た筈だが、決め手不足は如何ともし難い。この馬としては雨がもっと降って欲しかったところだろうが、天候だけはどうにもならないだけに、シャイニンルビー同様にオークスで改めて。

スマイルトゥモロー

これも細く映る。出遅れも阪神マイルの最内枠ならば挽回の余地が有った筈だが、道中行きたがってしまったのが痛い。外へ回したのは好判断で、最後それなりに詰めていたが、やはり引っ掛かる気性が何とかならない事には。

オースミコスモ

一戦毎に減り続ける馬体重、成長度案外。またしても折り合いを欠いたが、あの位置取りは消極的過ぎる嫌いも。

タムロチェリー

毛ヅヤは良くなっていたが、もうちょっとフックラしてこない事には。インにモタれ通しで、やはり戦前から懸念されていた内枠が応えたとしか思えない。

サンターナズソング

体型的にダート向き。スタート直後は多少掛かったにせよ、その後はスムーズに折り合えたし、4角も良い感じで上がって来れた筈だが、全く伸び切れず。良く解らない。

サクセスビューティ

馬体は良く出来ていたが、イラついている様に見えた。ヘルスウォールの方がデッパが良く、ハナ切るまでに無駄な脚を使ったのも確かだが、被せられると脆いだけに、そのヘルスウォールが早目に被せに来たのが一番応えた。

ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

タイキリオン

デキ目立つし、中京戦同様に落ち着いている。好発を抑えて中段。柴田善臣騎手もそういうイメージだった様だが、サーガノヴェルをファビラスラフインに置き換えれば、兄タイキフォーチュンのNHKマイルCと全く同じ内容。逆に言えば、タイキフォーチュンがそうで有った様に、ハマった印象も否めない。

サーガノヴェル

多少テンション高いのだが、クリスタルカップよりはマシ。ある程度持って行かれる事を織り込んでの騎乗、それだけにダメージは最小限で済んだのだが、それにしても前半5F55.9秒は最早伝説的とまでいえるラップ。東京と中山の違いこそあれ、ファビラスラフインは惨敗だったが、この馬は2着に踏みとどまったのだから、やはりそれだけ強いのだろう。

メジャーカフェ

まだ全体的に非力で、成長途上。前走はスプリント戦だったが、このラップだけに却って追走スムーズ。最後は手前を替えなかった分伸び切れなかったが、まだまだこれからの馬だけに、この経験が後々生きてくれれば。

アルスブランカ

多少気負い気味。スタートで安目を売ったが、このハイペースだけに流れに乗り損ねた面も。若干捌き損ねてその分届かなかったが、シッカリと脚も使えているし、この馬もメジャーカフェ同様にこれからの馬だけに、決して悲観する内容では無い。

オースミエルスト

場数を踏んで、もう下見ではイレ込まなくなった。これまでは折り合いを原因に求めていたが、今日はこのペースだけにスムーズに競馬出来た筈で、その割に伸び切れなかったのは頂けない。見栄えする馬だが、ソロソロ見限った方が良いかも。

カフェボストニアン

多少重く映るのは体型としても、気負い気味なのが気になった。外から一瞬伸び掛かるシーンもそこまで。時計が速過ぎたとしか。

エストレーノ

ちょっと馬が硬いのは事実だが、流石に馬振りは目立つ。外枠で為し崩しに脚を使わされた面も有るのだろうが、やはり時計だろう。

産経大阪杯(GⅡ)

サンライズペガサス

稽古手控えていたし、菊花賞時の方が良く見せていただけに、絶好調とは思わないのだが、好調と呼べる範囲。相変わらずゲートで煩く、神戸新聞杯同様に出負けしてしまったが、安藤勝己騎手その点は折込済みだった様。後方で折り合いをつけて、正味直線だけの競馬。200m標識地点でインにササり審議になっていたが、前を捉える時の脚は際立っていた様に、それは切れるサンデーサイレンス産駒の特徴。今日は単純に能力が違っていて、少なくともこの距離では一線級。

エアシャカール

チャカつくのはこの馬の癖だが、3歳時よりは大人しくなったし、薄ら汗をかいていて、気配は良好。普通に好位で競馬をしていた印象だが、今日はヨレずに真っ直ぐ走っていた。59kgが思いの外応えた説も有る様だが、今日に関しては馬が手加減していた気も。

ビッグゴールド

中山金杯時と同じデキで、取消明けの前走よりは良化。縦長の割に折り合いはついていたが、4角ではスッと反応出来ずに置かれ加減。ただ、そこから渋太く3着まで押し上げて来たのだが、この辺のズブさが東京でしか勝てない理由なのだろう。

ロサード

相変わらず馬を大きく見せていて、休養前と変わらないデキ。7R辺りから一瞬激しく降った催化雨が微妙に応えた印象。追い込み馬とはいえ、比較的前でも闘える馬だけに、この点は問題無かった筈だが。

ツルマルボーイ

ロサードにアオられて稽古動かなかった様だが、中京記念のデキまでは無さそう。一気の相手強化と斤量増も有るだろうが、これも雨に泣かされた印象。

マチカネキンノホシ

前走もこの数字で駆けているだけに断言は出来ないが、若干重い嫌い。外枠で折り合いを懸念していたが、この点は横山典弘騎手、良く知っているのだろう、前を壁にする形で折り合えた。4角の手応えも素晴らしかったが、やはり例の直線の不利。ちょっとした事で直ぐに競馬を投げてしまう馬だけに、ここで止まってしまった。

テンザンセイザ

メンバー中一番の気配。道中仕掛けて行ったのが裏目で、やはり追い込み一手の馬。

ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

グラスワールド

馬体増も全く気にならないし、歩様もスムーズ。外からトレジャーが持って行かれ加減だったが、こちらは内枠だけに前に壁。これで折り合えたし、何より無駄な脚を使わずに済んだ。4角でも前が壁で、トレジャーのインへ併せる形になったが、最後はハンデ差を利しての差し切り。「コズミが酷かった馬が、芝を使える様になっての連勝」で、トレンドはトレンドなのだが、この馬場にしては時計はむしろ平凡、もう一走見てから判断しても遅くはないだろう。

トレジャー

出来ているといえる部類。休み明けで、テンション上がり気味だったのも有るだろうが、外枠で馬が喜んで行き過ぎた。3角辺りの下り坂では折り合いもついていたが、4角は抑えたまま上がってきてしまっただけに、この点も岡部騎手、本意では無いだろう。ただ別の見方をすれば、前の止まらない馬場だったとはいえ、こんな内容でも勝ち馬とはクビ差。ハンデ差も有るだけに、一番強い競馬はしている。

ザカリヤ

ちょっとテンション高い。中段のインで折り合う形も、3〜4角中間辺りから、どうも反応が悪い印象。行き脚ついてからは外に出して伸びているのだが、前が止まらないだけに、3着争いを制するのがやっと。もうちょっと前で闘うか、馬場が渋って上がりが掛からない事には、勝ち負けには加われない。

ジェミードレス

暖かくなって毛ヅヤ良化。こちらは馬場が乾いてくれて浮上してきたクチで、外から追い込んできたが、どうにもハンデが絶妙過ぎる。

コンタクト

バラけた展開になってしまい、最内枠にも関わらず前に壁が無い。従ってちょっと折り合いに苦労していたが、時計が無いので、そのまま最内を突く形。一瞬ハマり掛けたのだが、狭いところを無理にコジ開け過ぎて、過怠金の対象に。

エイシンスペンサー

良化度案外。どちらにしてもハイペースや時計の速い競馬は合わないのだが。

トラストファイヤー

前走と変わらず。馬群に突っ込んだのも良くないが、前走指摘した通り良い脚が長く続かないタイプ。それだけにマイルのハイペースでダラダラ脚を使わされると脆い。

コーラルステークス

スターリングローズ

爪の不安が無くなってビシビシやれるようになった様だが、珍しくスカッと見せる。どちらかと言えば揉まれ弱い馬だが、外枠が幸い。ジワッと先行させて、4角持ったままで先頭。坂下まではディバインシルバーを可愛がっていたが、追い出してからは引き離す一方。ここでは力が違った。

スタンドオンエンド

暖かくなって毛ヅヤが良くなった。後方のインにいたが、引っ掛かり気味。3角辺りから徐々に押し上げたが、4角でもまだ中段。終いは良い脚を使っているが、やはり勝ち馬が強過ぎたとしか。ただ、前走から一変した形になったが、戦前指摘した通り不凍液を撒かなくなって馬場が軽くなったのが好走の要因で、今回は決してフロックでは無い。従って、この馬自身は決してムラ駆け傾向の有るタイプでは無い事は記憶に留めておきたい。

ディバインシルバー

好馬体だが、相変わらずイレ込む。最内枠で好発。とすれば、行く一手で、単騎でマイペースと一応は自分の競馬が出来た。この馬としては、スターリングローズが来るのが早かったともいえるだろうが、とはいえそのスターリングローズも追い出しを我慢して、結果的には相当可愛がってくれている。従って、それなりには展開向いた筈だが、実際にはスタンドオンエンドにも捕まったのだから、今日のところは1F長かったと思う他無いだろう。

キタサンチャンネル

これも「好馬体だが、相変わらずイレ込む。」といったクチ。ディバインシルバーの直後で、折り合いに専念。どうしても道中気負い込むタイプだけに、追って手応え程伸びないのだが、ダートだと比較的前が止まらない傾向で、意外に渋太い。芝だと決め手を要求されるので、ダート1400m辺りで逃げる競馬を磨けば、中々面白い存在にはなれそう。

オーシャンアクロス

休み明け。出来てはいるが、ちょっと重い。中段の外。4角はスタンドオンエンドと同じ位置だったが、休み明けの分伸び切れず。少なくともこの距離にメドは立った。

マイネルブライアン

太く見せるのは何時もの事だが、連闘の影響か、普段より煩い。全く伸び切れなかったが、斤量と距離だろう。

ノボリユキオー

今日は細い。久しぶりのダートが応えたか?

高松宮記念(GⅠ)

ショウナンカンプ

デビュー時はソエやら骨瘤に泣かされ、当時は歩様もガタガタだったそうだが、確かに今はそんな素振りは消えている。直前に微妙に降った菜種梅雨で前が止まらない馬場、ゲート自体は特別速くは無いのだが、二の脚が利いて、絡まれずに済んだのが勝因。ただ、メジロダーリングはともかく、道中2番手を追走していたのがアドマイヤコジーンだけにどちらにしてもその心配が無く、展開向いたのも事実。あとは手前を替えずに、おいでおいでの大楽勝だったが、やはり当面の焦点はあの世代との対決。あの世代は速い馬が多いだけに、彼らに連携プレーをされると、例の馬が差し届きそうだが。

アドマイヤコジーン

トモの張りや毛ヅヤは目立つ割にテンション高いのだが、前走もそんな気配。この馬自身は前半を33.0秒で行っているのだが、こんな出脚が有るとは正直意外な印象。前の止まらない馬場も利いているが、ストライドの大きい馬で揉まれて良くないので、前がバラけてくれたのが幸い。4角、自分から捕まえに行っただけに、最後はスティンガーに詰め寄られたが、これはこれで揉まれないだけ良かったのだろう。デキも有ったが、今日は小回りでも上手くスムーズに走れたのが好走の最大要因。

スティンガー

比較的良い方のこの馬だが、過去にはこの程度のデキでもポカをやった事も。ゲートは比較的マトモだったが、ダッシュつかず、道中は最後方を追走。4角も大外に持ち出して、一昨年の京王杯スプリングカップを彷彿させる様な豪脚。今日は前が止まらない馬場だけにここまででも仕方が無いのだが、結局この馬がこの展開で来てしまう辺りは、近年のスプリント路線がそれだけ低調だったという事だろう。

リキアイタイカン

CBC賞時と違って、今日はイレ込みキツい。止め絵は昔から良いのだが...。これも後方からだが、4角多少捌き損ねてしまった印象。結果的にスティンガーと同じ位置から追い出しているだけに、こうなると届かない。ただ、前走はゲートでアオった不利が有っての惨敗、これを度外視すればこの距離は堅実。少なくともCBC賞はフロックでは無かったのだろう。

トロットスター

デキは戻った筈だが、追い切りは多少不満だった様に、この数字では一枚重い印象も。基本的には今日は展開に泣いたという事だが、スプリンターズSはそれでも捕まえていただけに、何かが欠けているのだろう。とはいえ、それが気力なのか、能力なのかが重要な問題なのだが...。

サイキョウサンデー

相変わらず毛ヅヤ良く、デキ目立っているのだが...。4角手応え有った筈だが、追い出してからインのササり出す始末。左回りは向かないのだろう。

日経賞(GⅡ)

アクティブバイオ

あまり良く見せないが...。少頭数の長距離戦、当然スローになるが、しっかり中段のインで折り合っていた。4角外を回らず、そのままインを突いたのが好判断。ただ最後、3頭併せの真ん中になってしまって通常の馬には厳しい展開だったが、この馬の場合、昨年の函館記念がそうで有った様に、こういう馬場も苦にしなければ、馬群の中でこそ勝負根性を発揮する気性。今にして思えば、函館記念は外に出してしまったから負けたのか。

タップダンスシチー

何時も良く見せるタイプ。逃げたトーホウシデンを被せながら、馬場の良いところを選びながらの競馬。ちょっとマンハッタンカフェが来るのが早く、多少動くのが早いかなとも思ったが、道悪だけにこれはこれで良かったのだろう。最後は勝ち馬の馬場適性に泣いたが、この馬としては重賞初連対でもあり、上々の内容。

コイントス

前走で仕上がっていただけに、変わらず。スタート直後は無理しなかったが、1周目のホームストレッチでジワジワ前へ取り付いて、タップダンスシチー同様にトーホウシデンを突きながらの競馬。最後はインから伸びているが、この微妙な差が西高東低を象徴している感も。

トーホウシデン

ギリギリの体付き。思い切ってハナへ。道中は多少突かれ気味だったが、折り合えた。最後は休み明けで仕方が無い面も有るが、一応先行の利は生かし切った。

ハッピーパス

フックラ見せて上々の仕上がり。インで折り合いに苦労していたが、その割には良く頑張っている。

マンハッタンカフェ

太いが、有馬記念も似た様な雰囲気。気配は薄いとはいえ、叩き台で有る事を思えば、決して悪くない。良い感じで上がって来れた筈だが、4角で乗り役がトモを気にする様なシーン。「5回くらいかな。トモがガクガクして沈んでしまうような感じでした。馬場が悪いといっても、弥生賞の時もっと悪かったし...。よく分からない。とにかくショックですよ。(蛯名騎手・週刊競馬ブック)」

毎日杯(GⅢ)

チアズシュタルク

好調持続。道中は中段の外。4角で多少遊ぶ素振りを見せていたが、それでも終いはキッチリ。ここでは流石に力が違う印象だが、相変わらず競馬が雑。強引ならば強引でも構わないが、その場合は圧倒的着差をつけるなりして、力が違う事を証明しない事には。

ダイタクフラッグ

シープスキンノーズバンド、多少太い。スタート決めてハナへ。怖がりという話で、これが好判断。ペースも絶妙だったし、単騎で行けた分も大きいが、中々最後まで渋太かった。怖がりな面さえ出さない様に乗れば、ソコソコにはやれるのだろう。

ゼンノカルナック

ダイタクフラッグを見ながら絶好位での競馬。4角先頭で理想的な競馬が出来た筈だが、ダイタクが捕まえられなかったのは腑に落ちない。多少トモが甘い嫌いも有るだけに、坂がダメなのか...。

セヴンスバード

馬振り上位。ゲートは五分に出ている筈だが、ダッシュ付かず後方。4角窮屈なところへ押し込まれたが、その割に最後はアワヤ2着といったところまで詰めている。前回も述べたが、キャリアを思えば良く頑張っている。こういう経験は何時か生きる筈だが。

エリモシャルマン

ちょっと歩様が硬い。出遅れて後方。4角も大外ブン回す形。競馬が終わってからとはいえ、真っ直ぐ伸びていたし、この決め手を磨いていけば。