Sakura Archives

競馬回顧 2001年4回京都・4回東京

天皇賞・秋(GⅠ)

アグネスデジタル

休養後2戦が交流重賞で比較がし辛いのだが、コズんでいてガレていた春と比べれば確実に良くなった。後方で折り合いに専念。直線はとにかく馬場の良い大外。テイエムオペラオーの項で後述する理由が有るにせよ、それにしても凄まじい破壊力。蛇足だが、クロフネはこのスローと道悪では折り合えなかった筈、大井の統一GⅠはスロー過ぎて前残り、その意味からはお互い全てが上手くいった様に思える。

テイエムオペラオー

少なくとも絶好調では無い上、ズブいイメージを払拭する為なのか、無理に細く造ってきた印象。結果にはあまり影響していないのかも知れないが、最近前半は行きたがるシーンが多く、今日も例外では無かった。ただ、2頭行かせてからは折り合って、直線も抜け切って昨年同様に、突き放すシーンまで有ったのだが、内外離れていては手も足も出ず。昨年を思い出してみると、昨年は絶対の自信を持って追い出しを我慢していたが、今年はメイショウドトウに気を取られ過ぎていた印象。今にして思えば、大阪杯で余計な隙を見せたのが、陣営から自信とこの馬への敬意を奪った様に思えるのだが。

メイショウドトウ

下見の段階は2人曳きと遮眼革の効果で落ち着いていたのだが...。内枠だっただけに、包まれるのを嫌って前に行くのは、戦前からの作戦だったのだろう。ところが、サイレントハンターの出遅れで予想外にハナへ。これで馬が気負ってしまい、あれだけ力んで走ってしまっては最後まで保たない。今日は良く3着に残したと考えるべき。

イブキガバメント

歩様スムーズ。最後方にいたが、気持ち行きたがっていても、前が壁で何とかなっていた。4角は勝ち馬より更に外にいたが、河内騎手の判断と馬が若干モタれ気味だったのも有って、イン切れ込み気味。地力は付けていているのは前走辺りから感じられたが、思い切ってアグネスと同じ大外を通ってきたら、果たしてどうだったのだろうか?

ダイワテキサス

置かれていた前走とは違って、スローと道悪で前々での競馬。今日は直線の反応も良く、ジワジワとだが、伸びていた。元々は、道悪では走る気を無くしてしまうタイプだったと記憶しているのだが、置かれても渋太く伸びていた毎日王冠といい、最近妙に真面目に走っている印象。

ステイゴールド

見た目には絶好調。前2頭をマークして絶好の手応えで、直線まで回ってきた筈だが...。追い出してからは、インにササって全く競馬にならず。今年の日経新春杯辺りでもその様な素振りだったが、左回りは内へ、右回りは外へといった感じの模様。戦前は消耗度の心配をしていたのだが、今日は全く競馬していないだけに、これで次走は面白くなった。無論、外から追い込む形になるという条件付だが...。

ロサード

デキは文句無い。普段、それ程掛かる馬では無い筈なのだが、珍しく行きたがっていた。道悪で馬が必要以上に気負った印象。

菊花賞(GⅠ)

マンハッタンカフェ

良く見せるのは前走と同様。栗東へ早めに持ってきたのは、馬体減を嫌っての事らしいが、その点はクリア。ゲート後手を踏まされたが、京都3000mはすぐにコーナーが来るだけに、内枠のこの馬は問題無し。結構早くから手が動いていて反応悪い様に見えるのだが、それでも直線は良く伸びてきて、寸前で捕まえた。インでセコく、距離損無い様にに回ってきたのも有るだろうが。前走からは正直、ここまでやれるとは思っていなかったのだが、結局折り合いを気にしなくて良かったのが、相当利いている。

マイネルデスポット

絞った印象は有るが、それ程変わった訳でも無い。ジワッと逃げているつもりなのだろうが、残り14頭全て抑えていて、楽に単騎の逃げ。最後方にいたダンツフレームは別にして、人気どころは掛かっていただけに、捕まえにも来てくれず、直線向いた時には5馬身差程度のセーフティリード。最後このままかと思われたが、雨で上がりが掛かった分、差し切られた印象。パンパンの良馬場だったら勝っていた可能性も。

エアエミネム

神戸新聞杯は如何にもデインヒル産駒といった感じで良く見せていたのだが、ちょっと気配落ちていたのは否定出来ない。1周目の坂の下りで微妙に掛かっていたが、ジャングルポケットの事を思えば数段マシ。結果論でもうちょっと早く動いた方が、とは言えるが、現実的には厳しいのは事実。それでも前で競馬していた利と、センスで3着までは持ってきたが...。

ジャングルポケット

元々太らない体質で有るとはいえ、形は出来ていた。しかし、イレ込みが更に激しく、返し馬の時も本当に酷かった。一周目の坂の下りで思い切り持って行かれ、道中もそのまま。そうなると2周目は押さえざるを得なくなるだけに、これが今度は仕掛けの遅れを誘発。そんな競馬でも最後は伸びているだけに、相当能力が高い事のは想像に難くないのだが、しかし能力を発揮するだけのバックボーンが無いのは何とかならないものか。

ダンツフレーム

大幅馬体増。見た目に緩んでいて、競馬以前の問題。こうなると、イチかバチかの競馬になるのは仕方が無いだろう。賭けが外れたとしか言い様が無いのだが、それにしても山内厩舎、どうも所属馬の3歳秋時の成績は何時もパッとしない。

サンライズペガサス

文句無いデキなのだが...。馬自身が競馬を止めてしまった様な印象。

富士ステークス(GⅢ)

クリスザブレイヴ

イレ込みも無く、デキ目立つ。大外だけに最初からハナには拘らないつもりだっただろうが、意図的に押える競馬。直線もしっかりとした脚取りで伸びた。こういう競馬が出来た事自体は評価するのだが、今日はハイペースで折り合った事と、良馬場の割には、上がりが掛かったのも事実。

ダイタクリーヴァ

馬体減は休み明けのお約束。仕上がっている。相変わらずゲートの中で無駄な仕草が多く、だから出遅れる。どうも覚悟は有った様で、諦めて後方から直線だけ外に出す競馬。昨年のこのレースは直線フラついていたが、今日は良く伸びた。並の馬ならばこれで充分だが、目標が有る馬だけに相変わらず内容が中途半端で評価に迷う内容。骨折休養明けだけにこんなものといえばこんなものなのだが。

ネイティヴハート

結局、完全に芝馬でダートは全くダメ。最後方から矯めて乗られる。直線もセコく馬群を割って、距離を稼いでいるのだが、最後はどうしても止まってしまう。やはり、マイルでは東京で勝てる程の脚が無いのだろう。ブラックホークの様にリスクを承知でスプリントに使ってみると面白い様に思うが、2歳時の栄光がかなり色褪せてきたのも確か。

ザカリヤ

一時期の不振は完全に脱した。今日は直線の不利に尽きる。ただ道中は完璧に折り合っていて、手応え抜群だった。まともならば複勝圏内は有った印象。近走、地味ながら堅実に駆けている。

タイキブライドル

どこの競馬場へ行っても堅実に駆けるタイプだが、東京は判で押した様に掲示板止まり。まあ、今日は太目が残っていたので、同情の余地も残っているが。

マグナーテン

どうも力んでしまうのがネック。自分から捕まえに行く展開は得意だが、追っ掛けられる展開は合わないのか。

秋華賞(GⅠ)

テイエムオーシャン

数字こそ+2kgだがまだ緩い。恐らく中身は出来ていなかった筈。1000m通過が58.4秒。従ってソコソコには速いのだが、以前はこれでも掛かっていた筈で、完璧に折り合えたのは、成長ということだろう。着差こそ無いがに持ったままの4角で「勝負有り」。次走エリザベス女王杯だそうで、また距離不安を囁く向きも多いだろうが、今度こそ自信を持って乗って欲しいところ。

ローズバド

素晴らしいデキ。出遅れた上、スタート直後躓く不利。ただ、これで競馬が明快になった。腹を据えて最後方待機、そしてイチかバチのイン狙い。前も開いたが、見た目程馬場は悪くない様で、良く切れた。先週のロサードも似た様な競馬だったが、流石に横山典騎手のお手芸といったところ。こんな展開でも諦めないこの馬の根性は高く評価するが、果たしてゲート五分でインを突けたかどうかは疑問で。

レディパステル

イレ込みキツい。揉まれた経験が無く、なまじ人気だけに、大事に外を回ってこなければならない。今年のこの路線は何故か妙に大型馬が少ないのだが、その所為か皆が大事に乗っていた印象。従って、スムーズには競馬が出来たのだが、それでは勝負にならない。このレース、もう一週遅く施行しないと、昨年や今年の様に、外を通った馬には厳しい競馬が続くのだろう。

サクセスストレイン

馬が硬い印象だったのだが、春もそうだった。道中はレディパステルのイン。4角も馬群の中にいたが、スムーズに捌いて、レディパステルと併せ馬。最後は瞬発力の差なのだろうが、右回りでも真っ直ぐ走っていた点は好感。桜花賞、オークスと崩れなかっただけに、中々強か。

ショウナンバーキン

ギリギリまで造って来た。大外一気。もうちょっとインの馬場が悪ければ、前も止まった筈だが、この馬場では厳しい。まあ、決め手の有るところは見せられたが。

ダイワルージュ

元々馬振りの良い馬では有るが、メンバー中一番良く見えた。落ち着いていたのも好感。

府中牝馬ステークス(GⅢ)

マルカキャンディ

良く見えるのだが、前走時と変わらず。結局のところはハイペースでハマったという事。先週も仕掛けを遅らせて正解(エイシンプレストン)だったが、今週もといったところ。ただこの馬、爪に難が有る筈で、その意味からパンパンの良馬場はどうかと思ったのだが、東京はそれなりにクッションが効いていたのか。

ティコティコタック

イレ込み気味も、何時もの事。中段にいたが、直線向いて追い出した時にインにモタれ加減。その割に抜け切るのが早くて、勝ち馬の強襲。結果的に、ちょっと仕掛けが早かった印象だが、それでも2着残れたのは流石にGⅠ馬といった感も。

スリーローマン

-16kgも見た目程では。後方のインから、ティコティコタックを見る様な形。ただ、ティコティコタックを追っ掛けるのでは無く、仕掛けをワンテンポ遅らせたのが好判断。勝ち馬に連れて伸びて来た。惜しい。

メジロサンドラ

伸びやかな歩様、本当に素晴らしく見えた。好発馬も控えて好位。流石にこの距離では短過ぎて良い脚を使えないのだが、このハイペースを利し、インからジワジワでも伸びて来た。ただ、本当にデキは目立っただけに、次走エリザベス女王杯でも面白い存在。

ジェミードレス

止め絵は良かったが、今日は逆に覇気に欠ける印象。前走はスローで自力進出する羽目になったが、今日はハイぺースになっただけに、我慢比べが辛かった。どっちの展開にしても、良い脚が長く使えないだけに、モロに応えてしまう。

ヤマカツスズラン

多少太い。逃げないとダメというのも有るかもしれないのだが、骨折の際に左前脚にボルト。左回りはどっちにしてもキツい。

デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)

ファストタテヤマ

2歳戦で穴を開ける馬は大概パドックで目立つ馬が多いのだが、これは例外中の例外で、本当に地味。ポツンとシンガリを追走。直線だけ大外に出す競馬。この馬場で上がりがソコソコ掛かっているだけに、ハマったとしか言い様が無い。差し馬有利のトレンド通りといった印象も有るが、安田康彦騎手らしいといえばらしい。

ホーマンウイナー

好調なのは確か。加えて、パドックの段階ではそんな行きたがる気性には見えないのだが...。下手に仕掛けると引っ掛かる様なので、ジワっと行かせて、好位からの競馬。4角では既に前を吸収して先頭。ゴール前もあと一押しに見えるが、単にトラックバイアスが有るだけの話で、明らかに早仕掛け。結果的にハナ差なのだから責められないだろうが、それよりもこの馬をマークしていた組が追っかけバテ。その意味では波乱の影の立役者。

ダイワファルコン

毛ヅヤ目立っていたし、外目を周回して気合が乗っていた。一応、馬群の中での競馬も問題無い様。前述の通り、ホーマンウイナーの動きが早く、加えてこちらも人気を背負っている手前、動かざるを得ない。馬群を縫う様に来てはいるのだが、あれだけ早く動いては最後止まるのも止むを得ないところ。阪神戦の内容から、良い脚を長く使うタイプでは無く、一瞬の切れを生かすタイプで有る事は間違い無いのだが。

ロングユウシャ

パッとしない。記録上、向正面では13番手にいて、4角では4番手なのだから、早いのは早いのだろう。ただ、トラックバイアスが有るだけに各馬仕方が無いのだが、その競馬ではあと一歩で終わってしまう。長く脚を使っている印象は有るのだが。

ボーリングマシン

多少太い。ロングユウシャを眺めながら付いていったが、4角一息入れていた。その割に伸び切れなかった印象も有って、良く分らないのだが。「ゲートを出て外から接触されてリズムが狂い、行く気をなくして道中はフワフワしてましたからね。スムーズな競馬ができていればと悔やまれます。(池添騎手・週刊競馬ブック)」

セトノアケボノ

毛ヅヤ冴え、歩様の伸びやかさは際立って美しい。4角挟まりかけたが、そこから盛り返し再び来てはいる。今日はそんな事よりとにかくデキの良さを強調しておきたいが。

トーセンサクシード

見た目はそれ程でも無いが、心配されていた通りの馬体減。活気が無かった事を思えば、輸送で一暴れしたのか...。伸びるシーンも無かった。

スターエルドラード

妙に目立つ腹袋は体型としても、一応漸くにして絞れてきた。仕掛けが遅いとかそういった問題の前に「後方ママ」で終わってしまった。

農林水産省賞典 京都大賞典(GⅡ)

テイエムオペラオー

見た目には落ちていないのだが、昨秋は成長の跡が見られただけに不満は残る。お馴染みのスローペース。ただ例えスローでも、普段掛かる様な馬では無い筈だが、何時もより気負って走っていた。4角反応悪かった事は今年になってのこの馬の癖。いくらステイゴールドが外に張ってきたし、ナリタトップロードが落馬した際に馬が一瞬逡巡しているのだが、古馬になって叩き合いで初めて負けたのは厳然として存在する事実。ソロソロ現役世界最強馬の看板は降ろさなければならないのだろう。

スエヒロコマンダー

流石に太い。昨年同様の先行策。昨年はスロー過ぎたと述べたが、今年はまあまあのペース。とはいえ、昨年同様にナリタトップロードが早く来て、4角では既に4頭横並びでは致し方ないところ。その割に例の3頭以外では最先着だが、その3着以下はどう見ても入着賞金狙いと思えるだけに...。

ホワイトハピネス

絞れて良くなった。引っ掛かる馬では無いので普通に走っているが、3〜4角中間で置かれた辺りで如何ともし難い能力差、そこで「The END」といった感じ。棚ボタ式の3着だが、それにしてもこの内容で3着は美味しい。

サニーサイドアップ

これも太い。明らかに着狙いの競馬。最悪7着でも出走奨励金や距離割増賞が有るだけにと思っての出走だろうが、まさか本賞金までとは笑いが止まらないだろう。

ユーセイトップラン

今更ながら緩い。いくら時計勝負と右回りはダメだといっても、サニーサイドアップにも先着出来ないとは...。これで引退らしいが、確かに正解と思える。

ナリタトップロード

張りは有るのだが、微妙に踏み込みが浅い。菊花賞のイメージで、早く出て行く事は問題無い。ただG前300m辺りでは既にステイゴールドに頭出られている訳で、ちょっと能力が落ちた印象。結局、有馬記念に使えるかどうかといった状況の様だが、今日の負けはオペラオーよりも深刻。

ステイゴールド

叩き良化型はすっかり過去の話。今日は反動を気遣う程、目一杯造って来た。オペラオー相手にインをスクって叩き合いで凌ぎ切ったのは素晴らしい。まあ、内外にヨレるのは本気を出したサンデーサイレンス産駒の特徴。言い換えれば、気ズルい面の有ったこの馬が真面目に走る様になった。知ってか、知っていても実行しない後藤騎手はどうかと思うが、今日は真面目に走る様になった事を強調しておきたいのだが。

毎日王冠(GⅡ)

エイシンプレストン

スカっと見せるこの馬の好調時の姿。今日は珍しく好発馬で先団を眺めながらの競馬。仕掛けを遅らせる余裕も有ったのだが、それにしても開幕週の馬場で終始外を回ってきたのだから本当に強い。以前は良い脚が長く続かない印象だったが、この内容ならばそうは言えなくなった。東京適性も、昨春はデキが無かっただけに例え凡走でも未知数だったが、今日を見る限りむしろ合うと見て良さそう。

ロサード

ここに来て一段の成長。筋肉の付き方が以前とは違い、見た目に分かる。戦前からやるべき事は決まっているだけに話は単純。戦前指摘した通りエプソムCが好内容で、もう良馬場ならば東京でも大丈夫。開幕週の割に前の止まる馬場、最後方待機からインを縫う様に伸びて来た。ただ、今回は57kgが相当に利いていて、次走天皇賞ならば58kgを背負わねばならない。今季の充実振りからはこなせそうだが、試金石とは言える。

ダイワテキサス

往時の張りは無い。道中は勝ち馬を見る形。4角妙に反応が悪くここまでかと思わせたのだが、そこからが渋太い。いやむしろ直線も伸びず、イーグルカフェに被せられそうになりと大変なのだが、坂上で最後に一脚使って3着を拾う形。もう年齢的にも、見た目にも潮時と思うのだが、まだまだ馬に気力が有るのだろうか?

マグナーテン

本気で勝ちに来たのだろう、+2kgだが、ハチ切れんばかりの馬体。サイレントハンターが控えてしまって、ハナへ行かされた所為か、どうも力んで走っている印象。ハナ切る事自体は関屋記念の内容から問題無い様に思えるのだが、やはりこれだけ力んで走ってしまっては最後まで保たない。無論、その割には良く粘っているだけに、慣れればと言った印象も有るのだが、やはり現状では1F長い。

イーグルカフェ

馬体重変わらずだが、張りが出て良化。例に依って出遅れ。これも例に依って後方から大外へブン回すのだが、伸び掛かって止まるのも何時もの事。伸びてはいるし、決して中身の無い競馬だとは思わないのだが、この内容が毎回なのも確か。とにもかくにも、ゲートを互角に出ない事には。

ジョウテンブレーヴ

良く出来ていたし、口から泡を吹いているのは昨春と変わらず。ただこの時期にしては発汗も少なく、今日は妙に折り合いが付いていた。好調時はもっと行きたがっていた筈で、中身が無かったのだろう。加えて、この馬もっと良い脚を長く使うタイプで、今日の一瞬伸びかかって止まる内容は本来のものでは無いだけに、やはり上記の事を証明していると思うのだが。

メイショウオウドウ

2人曳きだが、落ち着いていた。後方で矯めて、直線でエンジン掛かった場面で、イーグルカフェに思い切り前をカットされてしまう不利。そこからは伸びてはいるが、この馬本来のものでは無く。

アメリカンボス

まだ太く見せるのだが、この馬の体型でこんなもの。それにしても中段からスムーズに競馬が出来た割には、全く伸びなかった。叩いた強みが有ってこの結果なのだから、やはり時計勝負がキツかったという事。

アドマイヤカイザー

下見では好気合に映ったのだが、返し馬でイレ込んだ様だ。前走の再現を目論んで、インを狙っていたのだが、その割に全く伸びなかった。やはり休み明けの時計勝負はこの馬にはキツかったのだろうか?

夕刊フジ杯 大原ステークス

スターリングローズ

前走と変わらず、という事は高値安定といったところ。スタート直後の芝の部分では行き振り悪い様な感じだったが、背負わされているだけにとにかく早めの競馬。それでも断然の地力で、スパッとは切れない、それでも余裕を持って抜け出した。流石に重賞3着馬、この相手ではのエクスキューズが付くとはいえ、強い。

リンクスオブタイム

+10kgも太くない。戦前は「ハナへ行ってこそ」の印象で、その意味ではシアトルフレームが目障りだったのだが、外枠ならば問題無いのだろう。ムキになるシーンは一度も無かったし、折り合いもついていた。スターリングローズに並ばれては、といった思いは有っただろうが、勝ち馬が強過ぎた。

ホシオー

張りが有って、絶好調。芝は全くダメというのも有るが、前半は全く競馬にならず。4角では既に行き脚こそついていたとはいえ、それでも最後方に近い位置から、上がりの速い京都でここまで追い込んでくるのだから大したモノ。準オープンのペースに慣れさえしてくれば、このクラスでも主力級を見込んで。

タマモルビーキング

薄らアバラが見えて良くなってきた。7F戦は初距離になるのだが、思ったよりも楽に行けた。ただ、前に行けたは良いが、それが良くなかったのか、4角で既に手応え怪しい状況。決してバテている訳では無く、渋太く伸びているのだが、上位馬の決め手の前には...。

エイシンコービン

マイナス2kgだが、まだ太い。追っ付け気味の追走だったが、勝負所で置かれてしまう。これもバテている訳では無いのだが、ジリジリとしか伸びず。