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競馬回顧 2000年4回京都・5回東京

天皇賞・秋(GⅠ)

テイエムオペラオー

今季は馬に重量感が出て、以前の華奢なイメージを一新。2角まで引っ掛かり気味も、無理には抑えず馬任せで好位。その後、折り合って直線向いてもバラけるまで追い出しを待つ余裕。完勝。

メイショウドトウ

外枠も押して前へ。その影響で多少勢いが付きすぎた面も有るが、それ程影響無し。直線向いても絶好の手応えだった筈だが、アッサリテイエムオペラオーに突き放される。馬場もこの馬向き、距離もこの馬にとってはベスト、仕方が無い以外に表現出来ない。

トゥナンテ

ゲート決めた。ラチを頼るという馬では無いが、前走のイメージで乗られた。直線向いて一瞬前が壁になるシーンも有ったが、フェアプレーで知られる的場騎手に前を開けて貰って、そこから伸びてくる。多少意地悪だが、メイショウの手応えがトゥナンテより悪かったら、的場騎手はどうしていただろうか?

イーグルカフェ

下見で覇気に欠ける様に見える時がこの馬の好調時の姿。2角で多少ゴチャついたが、結果として前で決まったという意味では影響しているが、この馬のリズムを崩す程では無かった。直線大外から一頭目立つ脚。確実に力を付けてきた印象。

ナリタトップロード

地下馬道抜けるまで騎手を乗せられない程、イレ込んでいた。スタート後手だが、元来そういう癖の有る馬だし、どちらにしてもこのイレ込み様では引っ掛かる危険も有って、位置取り後ろでもこれはこれで良かった。ただ、馬群が固まってしまう展開、動くに動けなかったのはツキが無かったかも。そこからは意外とも思える程良く伸びているし、「こんな競馬も出来た事は乗り方の選択肢が増えて良かった。」と今後思える様にしてくれれば。

毎日放送賞 スワンステークス(GⅡ)

ダイタクヤマト

スプリンターズSと比較すれば、多少イラついていた印象。そこは以前とは変わってはいない。しかし実戦で全く掛からなくなったのが、この馬の一番変化した点。だから今までより仕掛けを遅らせる事が出来るし、従って4角仕掛けた時の反応が以前とは全く違う。パンパンの良馬場で云々は雨の割にこの時計(1'20"4)だし、未だ判断がつき辛いが、少なくともこれならばマイルでも充分やれる。

シンボリインディ

イレ気味も、馬の毛ヅヤも含めた姿形は良くなっていた。この日、ロバーツ騎手は変に押さえ過ぎていたり、どうも乗れていない印象だったが、このレースだけは最高の騎乗。ゲートをわざと遅らせ、ダイタクヤマト(!)をマーク。これが好判断。過去、当欄で繰り返し指摘している通りラチを頼る癖が有るので、内枠も好結果に繋がっている。

マイネルマックス

昨年暮れから良い状態が続いている。中段で折り合いを付けて、佐藤哲騎手お得意の人気薄イン強襲戦法だが、流石に京都外回りは必ず前が開くし、良く伸びてはいる。とはいえ、この馬には悪いが、今日はそんな事より「この馬が好走出来たから、この馬場が道悪だった」という判断の方が重要な気もしないでも無い。

ブロードアピール

+6kg。数字上はともかくどうも馬が緩い印象で、この段階で終わっていた。ただ、レース前は掲示板は無理と思えただけに、その割には良く詰めている。

マサラッキ

この馬場をこなせたのは収穫。矯めてインを突いたが、フォームが全く乱れなかった。

エイシンプレストン

仕上がり上々。ゲート失敗して、道中最後方。4角でもまだ最後方で、直線だけの競馬。メンバー中最速とはいえ、この馬の能力を持ってすれば当然。骨折明けでも能力の減退が無かっただけ、良しとすべきかも知れぬが。

キングヘイロー

出来は良かったが、馬場が辛い。

レジェンドハンター

前走時から-16kg。見た目はともかく中身の問題では?

武蔵野ステークス(GⅢ)

サンフォードシチー

あまり良く見せるタイプでは無いが、縦の比較からは上々の部類。道中、馬群の中で折り合いを付け、直線向いても絶好の手応えを持ったまま。正味400mの競馬だが、それにしてもインから素晴らしい瞬発力。東京適性をまざまざと見せつけた格好だが、次走JCダートの2100mはやってみないと。

アグネスデジタル

これも素晴らしいデキ。ソコソコ速い流れだが、圧倒的一番人気に推されたゴールドティアラが不発。この影響で仕掛けが遅れた馬がかなりいて、この馬が前に居て漁夫の利を得た一頭。とはいえ、ここで勝ち負けするにはそれなりの地力も有るのだろうが。

マチカネラン

逆にこちらは仕掛けが遅れたクチ。加えて、このコースの外枠はコース損が大きく、それもかなり影響しているのだろう。ただ、追って伸びてくるイメージが掴めたのは収穫。

タガノサイレンス

アグネスデジタル同様に前で展開利は有ったが、この馬の場合、早仕掛けは絶対に止まる。その意味では東京コースも合わない。

ゴールドティアラ

馬体減だが、馬に覇気が無くどうも緩い印象。この日、京都に出走していた同厩ブロードアピール同様にこの段階で終わっていた。他にも敗因になりそうな材料は沢山有り(57kg、外枠等)、ブロードアピール同様、これでも良く走っているとさえ思えるのだが。

菊花賞(GⅠ)

エアシャカール

イレ込みは皐月賞と同程度、従ってこの馬としては落ち着いている部類。スタートして直ぐ一瞬掛かったが、戦前練りに練ったらしい、例の「インにモタれるならば、内ラチ沿いを通る」という作戦上、寧ろ好都合。ただ、終始内ラチベッタリでは無かったし、特に勝負処はインに馬もいた馬群の中。そこでそんな素振りも無かった事から、中間しっかり攻め馬をやってきた事とハミをリングハミに替えたのが利いたのかも知れない。ホワイトハピネスとジョウテンブレーヴの間を割ってくるシーンはかなりの迫力だったが、ここでは勝って当然の馬、圧勝出来なかった点は不満だが。

トーホウシデン

馬格の無い馬だが、中々の好気配。終始、前々で流れに乗り切った。2周目3角、アグネスフライトが一気に動いたのを見て、これに付いていった。結果、仕掛けのタイミングがドンピシャ。抜け出したエアシャカールがインにモタれて、多少遊んでくれてはいたものの、ここまで迫れたのはこの馬の成長。

エリモブライアン

戦前指摘した通り、増えて出てくる事が引っ掛かり癖解消のポイントだったが、期待通りの+14kg。1周目の坂の下りで多少掛かったが、後はスムーズ。ただ、藤田騎手のコメント通り、バテた馬を捌くのに多少手擦ったし、直線、トーホウシデンの内か外かで若干迷った事も有るが、突き放されたのは若干不満を覚える。とはいえ、今までの事を思えば、今日は折り合えただけでも収穫なのかも知れないが。

ケージージェット

佐藤哲騎手のコメント通り、歩様が硬い。道中は後方待機。勝ちに行って無い分、良く伸びた印象。ただ、上位3頭は一応の素質馬。エリモブライアンをアワヤのシーンまで脅かしていただけに、今後長距離のハンデ戦ならば狙っても。

アグネスフライト

2周目3角の手応えから、単純に2走目のポカで片付ける説も有り、全くそういう面も多少は有るのだろうが、そうでは無い面も有るのだと思う。というのは、変幻自在のエアシャカールの動きにまともに相手をしてしまって、為し崩しに脚を使わされた印象の方が強いから。要するに、もっと自信持って乗った方が良かったかも。

ジョウテンブレーヴ

一周丸々掛かってしまっては競馬にならない。

富士ステークス(GⅢ)

ダイワカーリアン

下見で落ち着いていたのは好感が持てる。例に依っての楽逃げ。しかし4角擦りに来たのが2頭いたが、慌てず騒がず坂下まで持ったまま。この時点で勝負が決まっていた。時計の掛かる良馬場が理想の馬だが、最近そういうレースにばかり使っている印象。次走、マイルチャンピオンシップもそういう馬場になりそうなのは注目に値する。

トロットスター

ゲートをソロっと出して、後方から。中段位置の各馬が仕掛けたのを見てから仕掛けて、直線大外から上々の伸び。この競馬は安田記念で実験済で、この経験が生きた形だが、惜しむらくは直線内にモタれてしまった事。

ダイタクリーヴァ

馬体減だったが、数字通り確かに細かった。ただ、イレ込んでいなかったのは成長といえるかも知れない。前半若干怪しいシーンも有ったが、一応、好位のインで折り合えた。多少、追い出してから反応が悪かったが、ハミを取ってからはそれなりにフラつきつつも伸びてくれた。

チェックメイト

何時も通りの後方からの競馬。直線大外だが、それにしても外過ぎる。ただ、パンパンの良馬場が理想の様で、その意味での極端な大外は理解出来なくも無いが、結果は当然届かず。

ブレイクタイム

折り合えていたし、前も開いていた。雪崩込んだだけで力差はかなり有る筈。

エイシンルバーン

安田記念時もこんな感じだったが、先行しながら4角では完全に圏外の手応えにも関わらず、最後それなりに纏めている。瞬発力に欠ける嫌いは有る事だけは確かだが、どうも良く判らない。

アドマイヤコジーン

芦毛で出来の把握が難しいタイプだが、結果はまだまだという事なのだろう。

エアギャングスター

近走、先行していた馬がマイルの流れで置かれてしまった。最後伸び掛かっているが、直ぐに前が塞がってしまうのも誤算。

ロードクロノス

インから上手く立ち回るイメージが有ってそれだけに内枠でと期待して見ていたが、案外の内容。岡部騎手のコメントを要約すると、内外に馬が併走する形は良くないということになるが...。

秋華賞(GⅠ)

ティコティコタック

−20kgは全部が全部で無いにしてもやはり細かった。ただイレ込んではいなかったし、京都の軽い馬場だから逆に切れ味が倍増したという事もいえる。ゲートは五分に出たものの、1角ではまだ中段のイン、しかしスローになり、その中段が団子の展開で各馬外へ。従ってコーナーワークを利し、労せず自然と前へ。そして何よりも、前に馬を置いているから折り合いもスムーズ。武幸四郎騎手のコメント通り、「全てが上手く行って」の勝利。

ヤマカツスズラン

叩いて更に良化。戦前の距離不安のコメントは三味線を弾いていただけで、実は距離にそれ程不安は無かったのだと思う。その結果、誰も競り掛けて来なくて、スローにも関わらず離しての逃げが打てたし、そのお蔭で4角でタメを造れたのが好走の最大要因といえるだろう。ただ、多少スロー過ぎた嫌いも有って、もうちょっと後続に脚を使わせるペースだったら、ティコティコタックの強襲も無かった筈。

トーワトレジャー

道中はティコティコタックの直後。勝ち馬にもいえるのだが、1角の飛び込みにポイントが有って、各馬好位置を取ろうとして一瞬ゴチャつくシーン。ところがその結果、インがガラ空きになり、仕方無しにインに潜っている。恐らく、戦前は昨年宜しく外から追い込む形を想定していたが、展開上止むを得ず、インに飛び込んだらお宝が眠っていた感。

チアズグレイス

これでも春からは大幅馬体増だが、成長分を加味すれば、絞れて上々の気配といえる。人気馬では唯一の先行馬、それだけに敗因を探すのに苦しむが、結局上がりの速い競馬に対応出来なかったという事になるのだろう。フォームに特徴有る事で有名な馬だが、まあ個性にも限度は有るという事か。

グランパドドゥ

これも結局、瞬発力不足という事になるだろう。ただ、直線チアズグレイスに突き放された辺りはこの馬の力不足を物語っているともいえる。

シルクプリマドンナ

ゲート失敗したのはボディーブロー程度で、それ自体が致命的という訳では無い。ただ、戦前指摘した通り、勝負処でモタつく癖が有る。これが小回りの多頭数だと命取り。無理して4角馬群に突っ込んだ時にはもう競馬が終わっていた。

ニホンピロスワン

こういう他力本願な馬はどうしても展開に左右される。これが1ヶ月前ならば、福永騎手のツキで前も止まってくれたのだろうが、それが無い今では前も止まってくれない。

府中牝馬ステークス(GⅢ)

トゥザヴィクトリー

一言で表せば、一番強い馬が一番楽な展開。前半1000mを62.6秒で、上がり3F33.5秒。逃げてこれだから、後ろは手も足も出ない。ただ、今までならば62.6秒では引っ掛かってしまっていただろう。加えて、黄色いシープスキンノーズバンドがトレードマークの様に頭の高い走法で有名だった馬、追い比べで競り負けていたかも知れない。大器なのはデビュー前から判っていたが、それを使いこなせるだけの気性の成長、いよいよ本格化。

ハイフレンドコード

戦前、折り合いが課題といわれていたが、スタートして直ぐは口を割っていたものの、暫くしてトゥザヴィクトリーを壁にする形で折り合って、ラチ沿い3番手。先週はインからトゥナンテが差して来たが、Cコース使用で前に有利という条件が加わっている。元々、東京に実績が無かった様に、良い脚が長く続かないのもネックだった馬。それが解消された訳ではないが、今日はインから一瞬の脚を上手く生かした。

フサイチエアデール

仕上がり上々。何時もの事とはいえ、前半多少掛かり気味。ただ、その後折り合えるのも何時もの事。結局、スローとトラックバイアス、そしてハイフレンドコードの一瞬の脚にしてやられた格好だが、外から来た脚はトライアルとして上々のモノ。トゥザヴィクトリーにもいえる事だが、一言だけ苦言を呈すれば、同時開催の京都がGⅠで止むを得なかった部分は有りこそすれ、近年最強クラスのこれだけの馬、出来るだけ騎手は固定出来ないものか。

クリスマスツリー

これも前半、多少掛かり気味だった。直線でヴァイタルトラックがフラついていたので一瞬逡巡してしまったが、それはご愛敬。とはいえ、最後まで諦めずに伸びていた点は非常に好感が持てる。

サクラスエヒロ

同じく、前半掛かり気味で、例によってその後は折り合っていた。外国人騎手に有りがちのひたすらイン狙いの競馬で、丁度うまく前も開いていた筈だが、そこから伸びて来ない辺りが重賞の壁。クリスマスツリーに最後突き離されたし、この5着は悲観的な見方で良いのでは。

エイダイクイン

出負けで4角大外へ、結果は仕方が無い。それよりも、只でさえ細身に見せる馬が−14kg。次走は京都への輸送も有るだけに、余程上手く調整しないと。

ウメノファイバー

デキに疑問。

デイリー杯3歳ステークス(GⅡ)

フジノテンビー

馬格がそれ程有る馬では無いにせよ、それにしても大物感が全く無いし、歩様も硬い。ただ、毛ヅヤは冴えていて、デキは良かった筈。道中2番手も、ギリギリまで追い出しを我慢する競馬。ただ、4角持ったままの手応えの割には意外に伸びなかった印象は有る。血統、走法とも芝向きなのは間違い無いし、自在に折り合えるセンスは買うが、所詮はこの相手、先週東京で圧勝したネイティヴハート級の評価まではどうか?

テイエムサウスポー

勝ち馬とは対象的に流石はアフリート産駒、良く見せているし、それなりに落ち着いていたのは好感が持てる。ただ、例に依って手前の問題が有り、外枠で影響は最小限に止められたにせよ、4角で外に逃げて一旦手綱を引っ張り掛けたのも確か。直線もインにササりながら仲々の脚で、それだけに今後は調教技量が問われる。

ラムセスロード

多少太い。道中、中段よりやや後ろだったが、4角まともに馬群の中に突っ込んでしまって、前でテイエムサウスポーがフラつくのが多少邪魔になっていた嫌いは有る。ただ、ブラックシルエット、ツルマルボーイとの3着争いを、しかも3頭併せの真ん中に居て最先着した根性は高く評価したい。

ブラックシルエット

太い所為も有るのだろうが、3、4角中間で動きたい時に動けず、中段位置に居ながら仕掛けが遅れてしまって、これもフラつくテイエムの直後の形。そこからの併せ馬はシャドーロールの効果も有って、この馬の新境地を見せてくれたが、置かれそうになる辺り、この距離は忙しく距離延びて良いタイプかも。

ツルマルボーイ

出負け。その影響で流れに乗り損ねたのは有っただろうが、京都の哩戦でしかもパンパンの良馬場、条件としては最高だった筈で、それでここまでというのは失望の結果。

モルフェデスペクタ

好馬体。ペースは極端に速くは無かったと思うが、いかんせん勝ち馬が来るのが早すぎた。多少、硬い馬場に戸惑ってもいた様だし、これからの馬。

エイシンスタンリー

レースは見所が無かったが、これも好馬体の持ち主。必ず化ける日が来る筈。

マイネルジャパン

敗因が分かり辛いが、消去法でいけば、まず距離は折り合えていた点から問題無かった筈。次に初輸送競馬だが、下見でイレ込んでいなかったので、これも問題無い筈。となれば、函館と京都の馬場差という事になるのだろうが...。

農林水産省賞典 京都大賞典(GⅡ)

テイエムオペラオー

下見ではファンの振った新聞に驚く素振りも見せてヒヤッとさせたが、仕上がりは多少緩い程度で秋緒戦としては上々の気配。超スローになっての叩き合い。とはいえ相手も一応GⅠ馬。最早、突き放すのは不可能に決まっているが、それを突き放せなかったのが不満という論調すら有る辺りが逆に「テイエムオペラオー最強馬宣言!」の感も有る。ただ、次走は半ば無理槍一番人気が潰されてきた天皇賞(秋)。無論、この点に限ってはエクスキューズも多いが。

ナリタトップロード

こちらは「何時も」通りの気配。ただ、その「何時も」がGⅠな訳で、コメント通り丁寧に造ってきた。道中、例に依ってテイエムの前での競馬。それ自体は否定しないが、天皇賞(春)回顧で述べた通り、まともな追い比べでは対テイエムとは分が悪く、何かしらの作戦が欲しい。今日も単純にストレートを投げてしまい、無惨にクリーンヒットを食らった感。

ロサード

歩様が若干硬い以外は、流石に好調教は伊達では無かった。競馬内容は京都外回りの定石イン強襲で、ここまで追い込んできた形。この馬の場合、この距離ともなると折り合いに不安も有っただけに、折り合えたのは何よりも収穫。ただこの馬、坂に不安が有り、次走東京ならば無条件で見送りが妥当。

スエヒロコマンダー

タイカラムーンが絡んできても超スロー。この馬の場合逃げたのは精神的なモノではないだけに、その事は問題では無い。うまく離して逃げてはいたが、それでもいかんせんスロー過ぎた。こうなると後ろの馬の決め手が勝ってしまう。

ロードプラチナム

重賞の壁に跳ね返されたのが春シーズン。スエヒロコマンダーを交わせなかったのは不満だが、ただ、インを突いて直線半ばまでコレかもという脚が成長の証。今日は全体に馬が緩んでいただけに、叩いた次走は期待したい。

ツルマルツヨシ

10ヶ月振りでもソコソコ出来ていた筈。直線、一瞬は来たが、止まったのも早かった。休み明けを差し引いても案外の内容。暫く掛かるかも。

メジロブライト

これも急遽の乗り替りを差し引いても、案外の内容。この馬、ボン駆けが利くというよりは単に調教に正直なだけで、その意味からは今回は走らなくて当然だったともいえるのだが...。

毎日王冠(GⅡ)

トゥナンテ

内外均等に絶好の馬場状態。この週、外から来たのはアイビーSのネイティヴハートが目立つ程度で、殆ど大外からでは届いていない。そこへ加えてオープンで上がり3F34.6の競馬では更に厳しい。ただ、逃げ馬絶対有利という程でも無く、A1コース使用でそれでもインを突いた差し馬が届くケースは散見された。この馬も丁度そのパターン。これで重賞3連勝も、今回は条件が揃い過ぎていただけに、まだ一線級と評価するまでにはどうか。

アドマイヤカイザー

これもインからの馬。普段、好んで後方からというタイプでもないので、馬任せがスローで何時もより前の中段位置。ただ、4角過ぎても前が壁。そして前がバラけたと同時に凄い脚で突っ込んできた。考え過ぎかも知れぬが、仕掛けが早い事で有名な後藤騎手、もっと早く前が開いていたら...。

エイシンキャメロン

状態上向き。もうチョイ速目のペースがベストだが、中々上手いペースで逃げられた。この馬場も手伝って、良く踏んばっている。「ポンと出て行ったのはいいが、物見をして思ったほど進んで行かなかった。それでスローペースで逃げることに。最後も両脇から来られたのが良かったね。もうひと頑張りできた。(蛯名騎手・週刊競馬ブック)

イーグルカフェ

ゲート失敗。恐らく手応えに騙されたのだと思うが、かなり早い仕掛け。その分、外を回る事になって最後失速。ただ、坂を駆け上がってくる脚は迫力充分。古馬相手でこの競馬。この馬の評価を上方修正せねば。

アメリカンボス

仕上がり上々。ただ、道中終始外々。時計勝負には対応出来る筈だが、この馬場で外を通っていては余程力量差が無いと。

ミッドナイトベット

まだやれる筈だが、道中のリズムがイマイチ。上手く立て直せるといいのだが...。

ミッキーダンス

イレ込んでいた。1800mがダメなのは判っていたが、俄に左回り不向き説浮上。

マチカネキンノホシ

例に依って素晴らしい以外に形容のしようの無い馬体。ただ、道中引っ掛かったのは仕方が無いとしても、手応え残っていた筈なのに、追い出してから全く伸びが無く、寧ろインにササる始末。力はこの相手なら一枚上の筈だが...。

マイネルプラチナム

これも引っ掛かった。ただ、以前の様にイレ込まなくなった点は成長の跡が有る上、好馬体の持ち主で何時か走る時が来る筈。

大原ステークス

シアトルフレーム

外枠が何事にも替え難いプレゼントだった。揉まれ弱いをキーワードに人気を落としていた以上、好発さえ切れれば、あとは互角の勝負が出来る訳。気分良くスムーズに3、4角中間辺りでは労せず馬が勝手に走って3馬身差。それなりに前が止まらない馬場。追いでおいでの楽勝劇。

ヒダカクラフティー

連闘でプラス体重、状態は良かった。普段それ程行けない馬、気合い乗りに特段変化が有った訳ではないので、吉田稔騎手が馬を動かしたという事になるのだろうが、2番手での競馬。ただ、前述の通り、シアトルフレームとは3、4角中間で3馬身差のリード。当然、自力で捕まえに行く形になって、各馬(コンタクト、サクラシーキング、タニノミュージック)の追っ掛けバテを誘発。その中で耐え抜いた地力は高く評価出来る。

ジェイモード

デキ上々。この馬もヒダカクラフティーと全く同じ事がいえる。しかも、昇級緒戦という事を思えば、別定戦でも充分通用。

ティークリッパー

追っ掛けバテしてくれる連中の後ろで我慢していて、一応展開はハマった。しかし瞬発力不足に加えて、前が止まらない馬場で、前に3頭も居る結果に。

サウンドカスケード

まだ本調子とはいかない様。これもティークリッパー同様に我慢有った分の掲示板。

タニノミュージック

イレ込みは何時もだから仕方が無い。ただ、追っ掛けバテにしても負け過ぎ。時計?

コンタクト

出来上々というより絶好調。距離?ハンデ?