Sakura Archives

競馬回顧 2025年5回京都

第30回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)

パントルナイーフ

2人曳き。腹袋はボテッと見えるが、トモが張って見栄えはいい。歩様にもブレがなく、体幹も強そう。げート五分。出脚は速くなさそうで、少し促して中段で折り合いに専念。その折り合いは完璧だった。4角で軽く促して、ラスト400mからの追い出し。最後はゾロアストロも迫って来たが、こちらも上がり3Fは32.9秒。文句の付け様がない勝ち振りだった。折り合いに問題がなく、真っ直ぐ走れている点も長所。間違いなく、GⅠ級。唯一、ケチを付けるなら、少し脚が外向気味。今年の2歳馬は妙に故障が多く、無事で有ればいいが...。

ゾロアストロ

2人曳き。バランスの取れた馬体で、迫力が有るというより、垢抜けている。ちょっと歩様には甘さが残す。ゲートは五分に出たが、出脚を使わず中段やや後方。丁度、パントルナイーフをマークする様な形。これも道中の折り合いは問題なく、リラックスして走れていた様に見えた。ただ、4角は少しズブさを見せ、パントルナイーフに付いて行くのがやっと。いざ追いだしてからの一瞬の脚もパントルナイーフの方が速かったが、最後迄、渋太く伸びて惜しい2着。見た目はジリジリだが、こちらは上がり32.7秒。今日は相手を称える外ない。如何にも脚力が有りそうなフォームも好印象。距離延びての逆転を期待するのは当然。

ライヒスアドラー

2人曳き。後肢にバンテージ。馬体にメリハリが出たが、まだ512kgの見た目ではない。ただ、踏み込みが深いのはいい。ゲート五分。少し出して好位のイン。道中は少し力んでいた様にも見えた。3角では何とか折り合ったが、3〜4角中間で、ローベルグランツと接触して、1列下げる場面。直線も内から伸びて来たが、坂を上り切った辺りで狭い場面が有り、直線も捌くのに一苦労で、最初にラストスマイル、次にテルヒコウと2度も狭くなった。このスローで1馬身差は勝ちに等しい。賞金を加算出来なかった点は痛いが、狭いところを割って来た根性は高く評価したい。能力的には上位2頭とも互角。

テルヒコウ

新馬の京都戦を使って馬がシャキッとした印象。歩様にも力強さが出た。それでもこのメンバーだと迫力で負けている。好発。出脚も速かったが、ラストスマイルに内から少し抵抗され、少し脚を使ってハナ。それでも行き切ってからはスローに落として、1000m61.0秒。3〜4角中間で後続に一度、追い付かれそうになったが、再び4角から突き放す形。見せ場充分の競馬だが、ラスト200mで左手前になり、流石に最後は脚が上がった。とはいえ、上位の馬が32秒台で上がっているだけで、上がり33.9秒。10年前なら楽勝級だった。500万なら何とかなる筈。

ラストスマイル

前肢にバンテージ。+6kg。図体の割に迫力がなく、まだ全体に緩い印象。踏み込み自体はしっかりしているが。ゲート五分。最初は決め打ちでハナへ行くつもりだったのだろうが、テルヒコウの方が圧倒的に速く、諦めて2番手に控える形。それでも、向正面では折り合っていたが、テルヒコウがスローに落として、3角辺りは少し窮屈そうだった。直線も最内を狙ったが、ライアスアドラーの方が一瞬の脚が速く、立て直してテルヒコウの外へ。これがなくても4着有ったかどうかで、現時点での能力的には知れているが、最後迄、諦めずに走っていた。これも500万なら通用する。

サレジオ

2人曳き。後肢にバンテージ。+24kg。多少緩い程度で、ほぼ成長分。馬っ気を出していた前走を考えると落ち着いていたのもいい傾向。少し歩様が硬いのは血統由来か。ゲートも怪しかったが、出脚もなく、押して押して好位。押している分、道中で行きたがるのは仕方がないところ。向正面半ばで、前外の馬との兼ね合いで手綱を引っ張る場面が有ったのも痛かった。このスローだけに、直線で脚が上がった様にも見えなかったが、それ以上に道中スムーズだった他馬が伸びていたということだろう。体質が強化されれば、急かしても問題ないのだろうが、今のところはジックリ乗った方が良さそう。

ダノンヒストリー

+6kg。いい馬なのは確かだが、現状だとトモが薄い割に、腹回りが緩い。全体にもう少し締めた方がいい。トモもまだ甘さが残る。2馬身近い出遅れ。直ぐに馬群には取り付いていたが、流石に行きたがっていた。展開的に直線も外へ持ち出すしかなく、今日の展開ではこの段階で圏外だったが、追われてから頭が高く、ステッキにも過剰に反応してフラフラ。トビ自体は大きいが、まだ力が付き切っていない印象。暫く掛かりそう。

チュウワカーネギー

前後肢にバンテージ。-12kg。前走が太かったので、単純に絞れたモノ。迫力はこのメンバーでも断然。踏み込みも深いが、今日は硬さが有った。ゲートを五分に出て、最初は中段辺りに居たが、馬が行きたがって、鞍上もそこ迄、抵抗せず、3角で2番手。4角迄の雰囲気はそんなに悪くなかったが、追ってサッパリだった。最後は完全に脚が上がっていた。鞍上の話もそんな感じだったが、新馬は全身を使えていた筈なのに、今日は追って頭が高くなっており、何処か悪いところが有りそう。一度、立て直して改めて。

ジャパン・オータムインターナショナル 第41回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

ジャンタルマンタル

-6kg。前走東京戦は如何にも休み明けだったが、今回はキッチリ仕上げられていた。それで居て、落ち着きも有り、歩様も力強い。ゲート五分。外から少し出して3番手。少し行きたがる症状は前走東京戦同様。戦前から鞍上が妙に強気だったが、レースでも自信満々の騎乗。坂の下りで後続を待たずに前へ並び掛け、直線は右手前のまま突き抜けた。これぞ横綱相撲というべきか、前走の敗戦が不思議な位の勝ち振り。次走、年明けのサウジ遠征という話も有る様だが、ダートは未知数としても、これだと距離が延びるのは歓迎しないか。

ガイアフォース

+6kg。前走東京戦もキッチリ出来ていたが、数字分だけフックラした程度で、今日もほぼ変わらず。歩様に硬さがないのもいい。ゲート五分。この馬の出脚で好位直後のイン。これも行き振りは少し良過ぎる位だった。直線迄、内目で我慢して、トウシンマカオとエルトンバローズの間を割る形。ただ、ここで少し待たされたのが結果的に痛かった。その間にジャンタルマンタルが抜け出してしまい、2着確保がやっと。内枠からセコい競馬を狙うと、こういうケースが有るのは仕方がないところ。ただ、それでこの内容なら、前走東京戦はフロックではなかったということなのだろう。今年に入って本当に力を付けている。

ウォーターリヒト

+10kg。少し煩い位の活気が戻って来た。馬体増もそのまま馬体の張りに繋がった印象。冬場は走るのか、デキが上向き。歩様も悪くない。ゲートは出たが、自分から進んで行く方でははなく、少し出して中段。結果的に人気薄での激走という形だが、この馬としては積極的に乗られた印象。4角もスムーズに捌いて、ジャンタルマンタルの通ったところから3着浮上。内目をロスなく立ち回って来たのは確かだが、自力で位置を取りに行った結果だけに、フロックではない。実績通り、京都や冬場は合うのだろう。

オフトレイル

前走も良かったが、気配抜群。ちょっと重いかも知れないが、馬が張っている。歩様もキビキビ。好発。1400mの後で急かす訳にも行かなかったが、それでも出脚は速く、労せず好位。課題の折り合い面は少し力んでいた程度。直線に向いて、一瞬の脚が有り、先頭に立つか立たんかの場面迄、有った。流石にマイルだと、一瞬しか脚が続かなかったが、惜しい4着。アテにはし辛いが、マイルでも脚の使いどころひとつ。

エルトンバローズ

+4kg。数字は増えているが、叩いて馬体の張りが出た。歩様は良くも悪くもこんなモノで、本調子とみていい。ゲート五分。トウシンマカオの出脚がは圧倒的に速かったが、この馬も速い方でスッと好位。折り合いも付いて、道中は何の問題もなかったが、追ってから手前が替わらず、ピリッとしなかった。ソウルラッシュには先着しているが、昨年の2着馬だけに、もう少しやれていいのだが...。ケガ明けから鞍上がイマイチ乗れていない感。

ソウルラッシュ

これだと少し重たい。ただ、骨折明けの前走東京戦が一枚緩い状態で、そこからは脱した印象。歩様も伸びやかになった。この馬の場合、重たく見えるのは元々で、見た目には走れる状態。珍しく好発。枠の並びからも想定出来たが、ジャンタルマンタルをマークする競馬。坂の下りで手応えが悪いのは今に始まったことではないが、直線も大して伸びず。陣営の話では、次走の香戦戦迄、お釣りを残してあるとのことだが、下見はいい時に戻っていた様に見えた。ズブさが目立って来た現状だと、マイルは短いかも。

シャンパンカラー

前後肢にバンテージ。-6kg。前走東京戦は休み明け感も有ったが、叩いて本調子。歩様にもキレが出た。この馬としてはゲートが決まった方で、ならばと頑張って中段。ウォーターリヒトの直ぐ内に居た。道中は特に不利もなかった様に見えたが、追って案外。もっと矯めた方がいいのか...。評価が下がる一戦。

ジャパン・オータムインターナショナル 第50回エリザベス女王杯(GⅠ)

レガレイラ

2人曳き。+8kg。前走中山戦は馬体にスッキリ感が有ったが、今日はトモに張り。歩様にも力強さが増した。例に依ってゲートの駐立が怪しいが、微妙に悪い程度で中段やや後方。道中の折り合いは付いていた。坂の下りが持ったままで、手応え充分。隣に居たステレンボッシュは既に手応えが怪しかったが、念の為、締めておいて、直線は大外。今日は内を捌いたパラディレーヌの展開だったが、単純に脚が違った。関西圏で全敗どころか、馬券圏内もなかっただけにどうかと思ったが、流石にこのメンバーなら力が上だった。機関車役がなくても勝てた点も大きい。デビュー戦が452kgで、今回が480kgだが、馬が成長している。次走は中山戦だろうが、引き続き有力。

パラディレーヌ

+6kg。デビュー以来、最高体重。これだと少し太い気もするが、2走前の阪神戦に成長を感じず、馬体増自体は歓迎。歩様はこんなモノだが、今日は少しテンションが高い。ゲートでアオッたが、最内枠の利は大きく、労せず中段を確保。折り合いも付いていた上に、荒れた内目の馬場も気にしている様子はなかった。直線は少し外に出して、一旦は抜け出す場面。これで勝てなかったら、相手を称える外ない。ただ、最後の最後は少し甘くなったかも。それが内目の馬場を通っていたからなのか、いい脚が一瞬しかないのか、今後の競馬で確認したいところ。

ライラック

戦前からデキがいいという話だったが、トモが張って、確かに良さそう。手先のスナップも利いていた。ゲートは五分に出たが、一旦は外の数頭に叩かれる形となり、鞍上に行く気もなく、後方から。道中はスムーズだったが、外にオーロラエックスが居たのが余計。坂の下りで先を越される形になり、後手に回る形になってしまった。最後は伸びているが、この展開では3着がやっと。上手く行けば2着有った競馬。勝負に行くなら自分から位置を取るべきだったが、力は示した。日高の馬だけに、尚のことタイトルが欲しいところで、その資格は充分有るのだが...。

リンクスティップ

前肢にバンテージ。+2kg。僅かでも馬体が増えたのは成長の証。ただ、歩様の甘さはまだ直っていない。好発。出脚も速く、外からジワッと好位。鞍上の話では少しコーナーで内にモタれていたとのことだが、元々行き振り自体はズブい方。坂の下りを利して、早目にスパートする形も理想的だった筈だが、直線に向いてからがジリジリだった。せめて同世代のパラディレーヌに並び掛ける迄は行きたかったところ。堅実だが、非力故にワンパンチ足りない。

ココナッツブラウン

2人曳き。この位の方が馬体にメリハリが利いている。ただ、この距離を走るなら、もう少し落ち着いて欲しいところ。ゲートで横を向いている時に開けられ、1馬身出遅れ。ただ、馬が最初から行きたがっていて、少し緩めて、レガレイラの直後から。向正面に入ってからは我慢が利いて、4角の雰囲気は悪くなかったが、直線は右手前のままで、もうひとつ伸びず。レガレイラには離される一方だった。戦前は穴人気していたが、現段階では力不足。

ステレンボッシュ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。今日は明らかに復調気配。トモに張りが出て、気配も良かった。この馬自身も1完歩目が遅かったが、直後にパラディレーヌに寄られて中段やや後方から。それでもレガレイラよりは前に居て、位置取りとしてはそこ迄、悪くなかった。ただ、4角手前でゴチャつく場面。ずっと外に馬が居て、外へ持ち出すタイミングもなく、消化不良の競馬になってしまった。今日は内枠がアダ。まだゲートが決まってパラディレーヌの位置だったら、結果は違ったかも知れないが...。

エリカエクスプレス

2人曳き。パシュファイヤー。今日も少しテンションが高い。毛ヅヤが冴えて、デキ自体はまなり良さそうだが...。歩様も問題ない。ゲート五分。あまり急かして行きたくないところで、外を牽制しつつハナ。この馬の出脚を考慮すれば、まだ楽に行けた方。それでも1角迄に脚を使わされたのは確かで、1000m通過59.9秒と、少し早目の逃げだった。そこからもシンリョクカに突かれて、前走程の楽は出来なかった。直線に向いた段階で余力なし。逃げ馬が2戦続けて上手く行くというのは、中々難しい。

オーロラエックス

このメンバーだと馬の迫力をいえば格下感は否めないが、一完歩一完歩が力強い。気配は抜群に良かった。例に依って、ゲートがイマイチで後方から。それでも道中のリズムは悪くなかった。坂の下りでライラックを制して先に上がって行く雰囲気も悪くなったが、4角でバランスを崩してサッパリ。鞍上の話では敗因不明とのことで、逆にいえば故障ではないとのことだが、故障以外に考え辛い止まり方。何ともなければいいが...。

第60回デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)

アドマイヤクワッズ

+6kg。もう少し絞ってもいいだろうが、トモが張って、このメンバーなら馬は上位。歩様もしっかり。一応は五分の発馬だが、あまり自分から進んで行くタイプではなく、後方から。行き脚が付いてからは、リズム良く走れていた。徐々に内目へ寄せて、4角で眼前のカヴァレリッツォが下がって来て、手綱を引っ張る場面は有ったが、直ぐに立て直して、直線も内から。前を行くカヴァレリッツォも渋太かったが、追い比べをアタマ差だけ制した。今日の馬場で、レコード勝ちも立派。出脚のなさが裏目に出る危険は有るが、次走阪神戦も本命級。

カヴァレリッツォ

これもゲートは五分に出ているが、スタート直後から外へ逃げ気味で、一旦最後方迄、下げてインから。各馬が内目を開けていたとはいえ、上手く挽回して3角で好位。ただ、ちょっと行きたがっていたか。それでも、直線は手ごたえ充分に内から抜けているのだが、アドマイヤクワッズに競り負け。道中のロスを考えたらこの馬も強いのだが...。GⅠで勝ち負けに持ち込もうと思うと、課題は多い。

アイガーリー

新馬の阪神戦はテンションが高かったが、今日は落ち着いていた。ただ、寸詰まりの体型で馬は明らかに格下。歩様も窮屈。ゲートは微妙に分が悪かったが、この馬の出脚でスッと好位。ただ、3角手前で掛かった馬が居て、それらを行かせて3角で中段に下げる形。坂の下りで追い上げて、4角はエイシンディードの直後。スムーズには運べたが、いざ追ってからがフラフラで中々反応せず、最後の最後に伸びて3着。現状では重賞の馬ではない。まずはパワーアップだが、少しでも確率を上げるなら、もっと矯めて運んだ方が良さそう。

エイシンディード

2人曳き。前後肢にバンテージ。テンションは高いが、数字の割にトモが張って、迫力充分。スプリンターとしては上級。前走函館戦程のロケットスタートではなかったが、今日も出脚は速く、スッとハナ。ただ、結構突いて来られていて、矯め逃げの分、1000m通過58.6秒と楽な形ではなかった上に、この馬自身も力んでいた。逆にいえば、それで4着なら良く踏ん張っている。内目を開ける馬場状態だったことも影響しただろう。トビが大きいのも魅力。ベストではないにせよ、この距離でも何とかなる馬だが、それよりもスプリント能力を生かしたいところ。気の早い話だが、一旦待機して、サマースプリントシリーズを狙った方が稼げる気もしないでもない。

マイケルバローズ

トモが張って、馬は負けていないが、スプリンター色が強い。ただ、前走中京戦は見た目の割に歩様が甘かったが、その点は大分しっかりして来た。ゲート五分。エイシンディードが行くのは見えていたので、その番手から。内で窮屈そうでは有ったが、馬はそこ迄、気にせず走っていた様に見えた。ただ、3角辺りで内をカヴァレリッツォに取られ、直線は外へ。ただ、ここで少しモタついて、前との差が開き過ぎてしまった。これだけ着差が付くと、上位2頭にはどうやっても敵わなかっただろうが、4着は有ったかも。現状では500万も怪しい馬だが、ひとつでも上の着を狙うなら、内に拘って勝負しても良かった。

キャンディード

+10kg。前走中京戦も+10kgだったが、馬が締まって見える。背丈が伸びて、ほぼ成長分。イレ込んでいるというより、ソワソワして落ち着きがないのは気になったが。ゲートをソロッと出して後方。道中は少し力み気味の追走だったが、1400mからの参戦ということを考えれば、まだ我慢して走っていた方。ただ、4角辺りからの反応が鈍く、直線もサッパリ。レース後は鼻出血が判明。1ヶ月の出走停止。

第30回武蔵野ステークス(GⅢ)

ルクソールカフェ

毛ヅヤピカピカ。とはいえ、544kgの馬ながら、迫力では古馬に一日の長が有りそう。歩様はダート馬としてはもう少し力感が欲しい。好発も無理はせず、この馬の出脚で好位の外。壁もない状態で、少し力んでいた様にも見えたが、4角もそのままの感じで回って、坂下辺りで先頭。直線は離す一方だった。出遅れたコスタノヴァとオメガギネスは別にして、それ以外とは性能差が違っていた。内枠で前に馬を置いた場合でも問題はない筈だが、過去の戦績からも2000mは少し長い印象。マイルの大きいところが海外に少なく、東京、船橋、盛岡位しかない。1つといわず、2つは確実に勝ちたいところ。

コスタノヴァ

2人曳き。ちょっとボテッと見えるのは何時ものこと。皮膚が薄そうで、デキ自体は問題ない。例に依って、歩様にも力強さが有った。5馬身近い出遅れ。それでも直ぐに馬群には取り付いていたが、ダートで後方の内目は決して宜しくない位置。直線もインが開かず、伸び出した馬が全部行ってから外へ持ち出す形。実質はラスト200m程度だったが、馬力の違いで2着確保。絶望的な位置だったが、圧倒的に強い。ただ、前走浦和戦に続いての大出遅れ。東京ならそれでも何とかなるのだろうが、ちょっとアテにし辛い。

ビダーヤ

全体に馬が厚ぼったい。数字は前走中京戦とほぼ一緒だが、一息入った影響なのか、今日は少し緩さが有った。歩様は悪くないが。ゲートが開いて、脚を滑らせ気味にも見えたが、何とか中段。砂は被っても問題なさそうで、折り合い面も全く問題なかった。直線に向いて、進路が有りそうで中々なかったが、ルクソールカフェが抜けたところが開いて、3着浮上。とはいえ、勝ち馬が千切って追っ掛けバテになり易い展開を考えると、最低でもコスタノヴァに先着しないと値打ちがない。マイルにも対応出来たことは収穫だが、前走,今回と賞金を加算出来なかったのも痛いところ。

サンライズフレイム

2人曳き。少しテンションが高いのは元々。ただ、今日は馬体にメリハリが有って、良く見せた。ただ、図体の割にトモが甘い歩様。五分の発馬から、少し出して好位。序盤はルクソールカフェと並走する形だったが、明らかにルクソールカフェとは行き振りに差が有り、こちらはオッツケ気味の追走。3角手前で一旦引いて、ルクソールカフェをマークする形に切り替えたが、直線は徐々に離され、坂を上り切った辺りから甘くなって、最後は4着。マイルへの距離適性だけならまだ救いも有るが、スピードでも負けていた点は頂けない。重賞だと少し厳しい。

ロードフォンス

遮眼革。シープスキンノーズバンド。-6kg。元々コロンとした体型だが、今日は数字分だけスッキリ。歩様も問題ない。 ゲートは五分に出ているが、鞍上に行く気がなく、中段やや後方から。ただ、道中で行きたがる場面。コーナーを上手く捌いて、直線入口でルクソールカフェの直後迄、持って来たが、直線で脚が続かなかった。距離が微妙に長いのも確かだが、それでも掛かっていなければ、また違った筈。マイルをこなすには乗り方に工夫が要る。

オメガギネス

シープスキンノーズバンド。自分から曳き手を引っ張る位の気配。トモが張って、キビキビと歩けていた。今日も文句なし。コスタノヴァ程ではないが、これも1馬身出遅れて後方から。前走が60kgということも有っただろうが、それでも行き振りは良さそうで、直ぐに場群に取り付き、早目に外を追い上げて行く形。4角の手応えなら、もう少し伸びても良さそうだったが、直線は案外だった。結果的に手応えに騙されたということになるが、鞍上の話では乾いた砂に滑っていたとのこと。確かに渋った馬場の方が戦績はいい。

第15回みやこステークス(GⅢ)

ダブルハートボンド

前後肢にバンテージ。数字以上に馬を大きく見せる。牡馬相手でも迫力負けしていない。歩様も力強い。ゲート五分。レヴォントゥレットと共に、押して先行。道中は引っ張り切りだったが、それでも1000m通過59.3秒と、ソコソコのペース。レヴォントゥレットとは明らかにスピードが違っていた。3角でも引っ張りきりだったが、レヴォントゥレットが苦しくなり、自然と先頭。この馬も最後は怪しくなったが、まだ余裕は有った。この馬場状態とはいえ、1分47秒5のJRAレコードも立派。スピードの絶対値が違ったか。これで胸を張って中京戦ということになるが、良馬場でどうかという面は有る。間隔を開けて使われている点からも一戦毎の消耗が激しそうで...。

サイモンザナドゥ

シープスキンノーズバンド。-6kg。数字分だけ腹回りがスッキリ。多少歩様がブレるのが気になるが、前走阪神戦もこんな感じだった。ゲートは五分。出脚は甘い方だが、この鞍上の時は押して行く形で、今日も押して中段。道中もオッツケオッツケの追走。楽な形ではなかったが、4角でここしかないところが開き、スムーズに入って来れたのが大きかった。レコード決着だが、各馬が最後は苦しくなる中で、スタミナを生かした2着。道中の動きを見ているとアテに出来なさそうだが、意外と堅実。そこは鞍上の手腕も大きいのだろうが。

ロードクロンヌ

前走札幌戦とほぼ変わらず。もうひと絞り有ってもいいが、ダートならこれでもいい。歩様も悪くない。半馬身程、出負けして一旦は後方。この馬場であまり後ろからは行きたくないところだが、かといって無理に急かすと引っ掛かりそうな気配も有り、向正面に入ってから少しずつ動いて行く形。ただ、今日のレコード決着で外を回っていては競馬にならない。一番強い競馬をしている。良馬場なら次走狙い目ということになるが、最後は明らかに止まっていた。GⅠだと流石に厳しいかも。

ラムジェット

1年半弱振りの中央だが、当時とは馬体が増えて別馬。この馬独特の歩様は変わらないが、馬に幅が出た。例に依って、1完歩目が出ず、後方から。途中で動く意思の有ったロードクロンヌと違い、こちらはコーナーの脚がないことも有って、完全な直線勝負。上がり3F35.3秒と1頭違う脚だった。4着とはいえ、ロードクロンヌをあと一歩のところ迄、追い詰めた。やはりこの形の方が迫力が有る。アテには出来ないが、次走、面白い存在に。

ドゥラエレーデ

今回から遮眼革。-5kg。これだと見た目に太い。510kg台前半がベストなのでは? デキ自体は恐らく問題ないのだろうが。以前より出脚が落ちていたが、遮眼革効果か、今日は何とか好位。道中の行き振りも悪くなく、これも抑え気味で追走出来た。直線は決め手がないので、この上がり勝負には対応出来なかったが、最近の中では悪くない内容。馬体を絞って、小回りならもっとやれていい。

第63回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

ミステリーウェイ

トモが張って馬は目立つ。重賞のメンバーでも迫力は上位。歩様にも勢いが有って、デキの良さを感じる。好発。出脚も速く、外からジワッとハナ。後続を離しての逃げだが、1000m通過60.3秒だから、決して速くない。後続が付いて来なかっただけ。コーナーで引き付けて、直線は内ラチを頼って、粘り切った。少し頭が高い走法で、ちょっとでも絡まれるとダメだろうが、前走札幌戦同様、序盤から全く競られず、気持ち良く行けたのが大きかった。直線で2番手のマイネルカンバーナが併せに来なかったのもいい方に出たか。次走未定だが、今後も如何に楽に行けるかどうかがポイント。似た様なところへ使うならマークがキツくなる可能性が高く、惨敗覚悟で中山戦へ行った方が夢は持てる筈。

スティンガーグラス

2人曳き。-8kg。絞ったことで、馬体に大分メリハリが出て来た。少しトモが甘い様に見えるのは毎度。大外で人気を背負って無理は出来ず、出脚を使わず中段やや後方。序盤は少し行きたがっていて、この鞍上だけにならばと少しずつ前へ。3角で好位。ただ、道中で行きたがっていた分、今度は直線に向いてからの反応がイマイチ。エンジンが掛かってからは詰めているが、内外離れていたことも有って、ミステリーウェイに振り切られた。今日のところは枠に泣かされた格好。ハンデ差を考えても、一番強い競馬はしている。ただ、同じ条件の春がサッパリ。当時は太目だったにしても、落差が大きい。アテにはし辛い。

ディマイザキッド

前肢にバンテージ。馬体はそんなに変わらないが、今日は間隔が詰まった影響なのか、歩様が少し硬い。ゲート五分。行く気はなく、出脚を使わず中段から。馬群の中でもリズム良く走れていた。矯めるだけ矯めて、直線も馬群の中から捌いて来る形。一瞬は2着は有りそうな脚勢だったが、最後の最後に甘くなって、スティンガーグラスに捕まって3着。そもそも距離経験がなかったことも大きいだろうが、今日は展開的にはハマった形で、単純に距離が長そう。再来週の福島戦の方が確率は良かっただろうが、小回り独特のハイペースも今夏函館戦の様に歓迎しないタイプ。賞金加算だけでもしておきたいところなのだが、中々難しい。2000mの中京戦出走なら面白いところだが、今日のデキ落ち気配は気掛かりで...。

セレシオン

遮眼革。昨年の6着馬だが、当時はギスギス感が有った。これ位で丁度。踏み込みも深く、今季はデキが良さそう。ゲート五分。内の出方を窺いつつ好位直後。折り合いも付いて、4角迄は完璧だったが、直線に向いてからの捌きを失敗。最初にローシャムパークに前をカットされ、次いでディマイザキッドと右往左往の挙句、ディマイザキッドの後追いでは話にならない。明らかに最後は脚を余した。それでも昨年6着からは前進した格好だが、ディマイザキッドにしても、本来なら少しでもスタミナに不安の有る馬はまず来ないレース。今日はペースが特殊だったのだろう。これも2000m辺りがベストの筈で、次走中京戦なら面白い存在。

シュトルーヴェ

遮眼革。腹帯が食い込んで、少しボテッと映る。これ位でも走っているが、もう少し絞った方がが動ける筈。ただ、以前と比較して集中して歩ける様になって来た。歩様も悪くない。ゲートを潜り気味に出て、出脚が鈍って後方から。道中の折り合いは問題なく、直線迄、ジッと待機。直線に向いて、ずっと待たされていたセレシオンと同じ位置だっが、こちらの方が先に進路を確保したにも関わらず、反応が鈍く、伸びて来たのは最後の最後だった。ただ、59kgはかなり応えた筈。前述した様に、ディマイザキッドやセレシオンは2000mがベストの馬で、本来ならこの距離がベストのこの馬には向かない展開になった。重賞なら展開ひとつの馬で、次走改めて。

ホーエリート

+10kg。前走中山戦はギリギリだったが、数字は回復分。見た目には本調子。キビキビ歩けていた。ゲート五分。この馬の出脚で行かせて、ジワッと好位。ミステリーウェイの大逃げになったが、並走していたマイネルカンバーナと共に、この馬のペースで馬群の先頭。道中はリズム良く走れていた。4角でミステリーウェイの1馬身後方迄、差を詰めたが、ここで脚を使ったのが響いたか、そこから突き放されて、後続にも捕まって掲示板も外す有様。直線は手前が替わらず、少し苦しそうだった。現状だと55.5kgが背負える馬ではない。

プラダリア

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。少しコロンとした体型だが、今日も迫力充分。歩様も力強い。ゲートで安目を売ったことも有るが、ジックリ乗られて中段やや後方から。今更折り合い云々の馬ではなく、道中は脚を矯められた筈。ただ、元々決め手で甘いタイプなのに、直線でかなり待たされてしまった。左回りとはいえ、このメンバーで58kgなら何とかなっていいのだが...。もう少し流れていれば、結果は違った筈。ただ、復調気配は出て来た。条件が揃えば、ソロソロ一発が有っても。

第61回京王杯2歳ステークス(GⅡ)

ダイヤモンドノット

2人曳き。-6kg。骨格のしっかりした馬で、垢抜けた馬体の持ち主。歩様にも力強さが有る。ただ、これ以上、テンションは上がらない方がいい。好発。出脚も速かったが、ハナだけは行く気がなかった様で、2番手で我慢させる形。壁がない状態だったが、意外と折り合いは付いていた。直線も手応え充分だったが、他馬が来ないので追い出しを待つ形。ラスト300mからだったが、軽く気合を付けた程度でオイデオイデの大楽勝だった。端的にいえば能力というより、スピードの絶対値が抜けていた。ただ、戦前に述べた様に、今日はメンバー低調。次走阪神戦が試金石。

フクチャンショウ

+12kg。前走中山戦が少し薄い印象も有っただけに、この馬体増は好感。歩様にはまだブレが有るが、気配は良かった。ゲート五分。出脚も速い方ではなさそうで、中段から。道中は馬群の外だったが、前に馬を置いて折り合いが付いた。何なら、むしろズブい方だったが、直線は再度迄止まらず2着浮上。ラスト200m辺りで左手前になっていたが、そこからのひと踏ん張りが大きかった。繰り返しになるが、メンバー低調で能力の絶対値は未知数だが、いい根性が有る。

トワニ

416kgしかないが、背丈も低く、そこ迄迫力負けしている印象はない。歩様もしっかりしていて、ケチを付ける部分はない。半馬身出遅れ。そのまま後方から。行く気もなく、ジックリ乗られたことも有ったが、折り合いは付いていた。直線も小細工せず、大外。ペース自体は東京1400mらしく遅かった一方、ダイヤモンドノットがチギる形となり、追い込み馬にとっては良し悪しある展開だったが、メンバー中最速の脚で3着浮上。これだけでは良く分からないというのが正直なところ。前走中山戦からマイルは明らかに長く、首が使えていない点からも短距離の差し馬なのは確かだが...。

シャオママル

数字はないが、トモが張って、馬体は纏まっている。歩様にもキビキビ感が有って、完成度が高い。ゲートのタイミングが合わず、1馬身出遅れ。そこから出して挽回して中段のイン。あれだけ急かして行くと、行きたがるのは流石に仕方がないところ。それでも直線に向いて、内からジリジリ来ているが、2着浮上かの場面で、最後は甘くなった。今日のところは距離が長いということになるが、ゲートを出て折り合えば違う筈。

ルートサーティーン

前後肢にバンテージ。前走京都戦はトモが甘そうな歩様だったが、大分しっかりして来た。少し太目にも映るが、馬が張ってデキ自体はいい。好発。内から主張してハナ。出脚もそこ迄、速そうではなかったが、道中のスピードも明らかにダイヤモンドノットの方が余裕が有った。流石にコーナーではダイヤモンドノットが引いてくれて、自分のペースだったが、プレッシャーはキツく、最後は失速。ただ、脚が上がったというよりは、トビが大きいので、回転数に問題が有りそう。マイルや1800mでも決め手負けしているので、1400mに使ったということだろうが、1400mは1400mで合っていない。

ユウファラオ

前後肢にバンテージ。+4kg。もう少し馬を締めた方がいい。歩様はしっかりしていて、馬は良さそうだが...。好発。出脚も速かったが、ダイヤモンドノットに2番手を取られて、1列下げる形。道中は少し力んでいた。直線に向いて暫くは食い下がっていたが、ラスト200mで脱落。前走もそうだが、途中迄、惜しい位置に居ても最後が保たない。距離短縮でマシになるかと思ったが...。単純に重賞では力が足りない。

シーミハットク

遮眼革。後肢にバンテージ。まだ全体に馬が緩い。歩様にも力強さを欠く。単純に完成度が低い。ゲートが微妙に悪く、内外から一気にやられて中段。道中は引っ掛かっているというより、馬が戸惑っている様な感じで、リズムが悪かった。直線に向いて、全く反応せず雪崩れ込んだだけ。かといって、脚が上がっている様にも見えないので、単に距離が分かっていなかったか。馬も若いが、まずはゲートでやられない様にしないと競馬にならない。