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競馬回顧 2024年3回京都

第59回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

アドマイヤベル

2人曳き。前後肢にバンテージ。484kgだが、数字の割には馬が薄い印象だが、これでも前走よりは遥かにいい。歩様の非力さも幾らかマシになった。ゲート五分。直後に内外から寄られそうになり、そこから抜け出す意味でも少し出して好位。それ故、序盤に少し行きたがったのは仕方がないところだが、向正面に入って暫くすると、折り合いが付いたのが良かった。それが馬群の中だっただけに、尚のこと高く評価出来る。開幕週でも4角で外へ持ち出す余裕が有り、直線に入っても追い出しを待っていた程。ただ、追ったのは実質はラスト300m有るなしの割に、かなり内にモタれていた。頭も高く、完勝でも課題が残る一戦になった。次走は出るだけになりそう。

ラヴェンダ

前後肢にバンテージ。-10kg。通常ならこの時期の馬体減はあまり歓迎しないが、見た目から絞れたとみていい。踏み込みが深く、素質を感じさせる馬。好発。出脚自体はそこ迄速そうではないが、枠の利が大きく、好位のイン。2角手前でバロネッサと接触して、馬が怒ったか、これも力みながらの追走。3角でも鞍上が引っ張っていた様に見えた。それでも開幕週だけに、只管インに拘るしかなく、直線でも他馬と接触していたが、ラスト200mで前が開いてここ迄。インに居たことは間違いではないが、スムーズさでアドマイヤベルに利が有った。能力差はそこ迄ない筈。

カニキュル

-6kg。テンションが高いのは何時ものこと。とはいえ、発汗はそれ程でもなく、許容範囲。胴長の造りでスッキリと見せて、如何にも長いところが向くタイプ。ゲート五分。とはいえ、東京2000mの外枠だけに何も出来ず、後方から。大して出していた訳ではないものの、これも道中は結構気負っていた。更にずっと外も回され、決して楽な展開ではなかったが、最後迄諦めずにジリジリ伸びて3着。枠が内だった勝っていただろう。一旦は放牧に出して立て直す様だが、準オープン迄は楽に来れる馬。

クリスマスパレード

-10kg。これもチャカついていたが、前走中山戦と一緒。数字も細い印象はないが、力が付き切っていない感は有る。ゲートでヨレて出脚が鈍ったが、決め打ちだったか、大外枠から押して押して先行。今日は気負っていた馬が多く、これも例外ではないのだが、出して行った割にはまだ我慢して走っていた方だろう。しかも、前に行った分、外枠でもコースロスを最小限にして回って来れた点も良かったが、追って内にモタれて過怠金の対象に。最後迄止まってはいないにせよ、もうワンパンチ欲しい。まだ体力不足。

トロピカルティー

2人曳き。前後肢にバンテージ。これも小走りが入って、煩かった。ただ、428kgの割に脚が長い。成長したらいい馬になりそう。ゲート五分。この馬の出脚で中段。序盤は行きたがっていたが、向正面で折り合いは付いた。ただ、4角手前から手応えが悪くなり、置かれ加減。直線に向いて直ぐの段階でも、前のアドマイヤベルとは手応えが大分違っていたが、最後に脚を伸ばしてここ迄。前述した様に可能性は感じるが、現状では500万も微妙。

第55回読売マイラーズカップ(GⅡ)

ソウルラッシュ

オーストラリアンブリンカー。+5kg。何時もこんな感じだが、腹回りは少し余裕残し。とはいえ、しっかり踏めていて、気配も良かった。この馬にしては好発。流石に出脚は速くないが、中段は確保。終始外回されたのは仕方がないところだが、コーナーでの手応えはイマイチでニホンピロキーフの抵抗を叩き切れず、京都だけに4角で馬群が広がって、直線に向いた段階で内から6頭分位の位置。ただ、開幕週でも雨で、外でも届く馬場だったのは幸い。この馬としては早目に抜け切る形になったが、フワッとする悪癖も見せず、快勝。次走東京戦は、3歳馬や外国調教馬が出て来ない限り、ナミュールかマスクトディーヴァ辺りが相手となるが、そのレベルなら好勝負必至。

セリフォス

前後肢にバンテージ。+12kg。これだと腹回りがボテッとして、明らかに太い。とはいえ、GⅡならこれでいい。歩様が良くなった点は好印象。ゲートが微妙に悪く、押して中段やや後方から。枠なりに内々を立ち回って、道中で少し番手を上げていたが、直線に向いた段階で一瞬待たされた。尤も、最後は1馬身3/4差だから、今日はそれがなくても微妙だったか。毎回述べている様に、ゲートは出るに越したことはないが、デキも鞍上がいう程悪い様には見えず、次走東京戦へ向け、叩き台としては悪くない結果。当然、絞れれば更に動ける様になる筈。尤も、近年は本当にGⅠを勝とうと思うなら、直行が主流。これだけの実績を残したクラブの馬が、GⅡの2着というのは、本当に欲しかった結果かどうか...。

ニホンピロキーフ

上位2頭と比較すると、当然ながら馬は落ちる。少し馬に集中力がなかったことも有るが、歩様も甘かった。ゲートは五分か少し分が悪い位だったが、出脚が速く、労せず好位。そこ迄、急かさずこともなく、リズム良く走れていた。ただ、前述した様に、3角過ぎからソウルラッシュに叩かれそうになり、内から抵抗せざるを得ない形。楽ではなかったが、直線迄踏ん張り、追って頭が上がりながらも3着に残した。頭が高い点から、良馬場の決め手勝負では競馬にならなかっただろうが、この馬場が味方した。とはいえ、このメンバーだけに胸を張っていい。GⅢレベルなら何とかなる筈。

エアロロノア

-16kg。去勢明けにも関わらず、むしろ逆効果だったか、何時になく煩い。馬はスッキリと見せて、休み明けにしては良く出来ていたが。ゲートも悪かったが、出脚もなく、後方から。行き脚が付いてからの行き振りは悪くなかった。3角でソウルラッシュを意識しながら動いて行く形。直線半ば迄の手応えは似た様なモノで、良く食らい付いていたが、ラスト200mからの脚がなかった。とはいえ、昨年6月以来だけに充分といえる内容。通常なら次走狙い目となるが、昔からアテにはならないタイプ。下見でイレ込んでいながら、折り合いが付いていた点も不可解。

ソーヴァリアント

2人曳き。-16kg。緩さはなくなって来たが、もうひと絞り有っても。やはり500kgは切った方がいい。少し煩いのは元々。ゲート五分も、1完歩目で滑り気味になり、出脚が鈍って中段やや後方から。道中はエアロロノアと一緒にソウルラッシュをマークする格好。4角の手応えはエアロロノアよりもいい様に見えたが、追ってからがジリジリ。とはいえ、ここ2走は競馬を止めていた感も有り、収穫は有った一戦。次走試金石。

トゥードジボン

寸が詰まって、幅が有るマイラー体型。下見所の外を周回して、馬に活気は有ったが、ちょっと歩様に力強さを欠く。1馬身迄は行かないが、出遅れ。それでも押してハナ。ただ、道悪だけに良馬場時以上に脚を使ってしまった上に、エエヤンとセッションに絡まれたのも痛かった。4角で一杯になっており、今日は競馬にならず。