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競馬回顧 2025年4回京都

第76回毎日王冠(GⅡ)

レーベンスティール

2人曳き。前肢にバンテージ。走る走らないは別にして、前走阪神戦もデキは良かった。今日も気配を含めて、ほぼそのまま。珍しく好発。この馬の出脚で好位。気性的に難しい部分の有る馬だが、サトノシャイニングを前に置いて、何とか我慢して走っていた。1000m通過58.6秒だけ切り取れば極端なスローという訳ではないが、テンの200mが12.9秒と極端に遅く、前の馬にしか勝負に参加出来ないペース。しかも、その前の馬が掛かりながら壁になってくれているのだから、最早勝って下さいの展開。着差こそ半馬身だったが、それ以上の楽勝だった。トビが大きいのでスパッと切れる様に見えないのは仕方がないところ。次走も東京戦だろうが、今日の展開が再度望める筈もなく、仮にそうなったとしても32秒台の馬が台頭して来そう。良くて入着か。

ホウオウビスケッツ

2人曳き。前肢にバンテージ。-6kg。前走札幌戦が明らかに太かったので、絞れたのはいい傾向。歩様にもキレが出た。ただ、見た目だけなら、もっと絞ってもいい。レーベンスティール,シルトホルンの好発に依り、比較上、微妙に出負け。前記2頭の間から抜け出て来るイメージで押してハナ。ハナに立って落ち着こうとしたところをサトノシャイニングが掛かりながら来て、そこでも脚を使わされた。前述した様に、ペース自体は大して速くないが、それ以上にメンタル面で削られていた印象。それで居て、直線はしっかり伸びている。決め手負けしただけで、止まってはいない。走らない時は極端な淡泊な馬だが、我慢が利く時はデキがいいことの証左。自分でペースを造れる馬は常にチャンスが有る。昨年よりメンバーが落ちる今年は何とかなっても。

サトノシャイニング

2人曳き。胴長でスラッとした造りだが、古馬相手でも迫力負けしていないが、歩様の力感では古馬に長が有る。これもゲートで微妙に安目を売ったが、押して2番手。繰り返しになるが、3角辺りで頭が上がる場面も有り、結構行きたがっていた。流石に前のホウオウビスケッツを捕まえるには至らなかったが、道中の1馬身差が最後迄、ほぼそのまま詰まらなかった。ただ、能力面の評価だけをいえば、今日はバタッと止まっていないだけ、マシという考え方も出来るだろう。脚色的にも伸びていないだけで、脚が上がった様には見えなかった。気性面さえ解決出来れば、古馬相手でもやれる力は有る。次走は試金石だが、今日のところは前向きに捕えたい3着。

ディマイザキッド

2人曳き。前肢にバンテージ。こちらは寸の詰まったマイラー体型。歩様もマイラーっぽい力強さが有る。前走函館戦は少し下見の集中力を欠いたが、今日は気配も良かった。ゲートで安目を売ったことも有るが、出脚もサッパリで後方から。ただ、スタート直後は結構押したことで多少行きたがっていたが、直ぐに折り合いが付いて、道中のリズムは悪くなかった。基本的にはチェルヴィニアをマークする形。ただ、今日の展開で4角で外を回している様では競馬にならない。チェルヴィニアを交わしただけでもそれなりの評価が必要。現時点で次走未定だが、展開ひとつ。

エルトンバローズ

遮眼革。-4kg。馬体の張りがもうひとつ。もう少し腹回りがシャキッとして欲しい。歩様もこの馬としては少し硬い。比較上、ゲートが微妙に後手に回ったが、この馬の出脚で挽回して好位。ただ、出した分と外に馬が居ること自体が好きではないのか、道中は行きたがっていた。今日の展開だと内に居た利はそれなりに有ったにも関わらず、直線に向いて前を追い掛ける脚がなく、伸び案外。もう少し掛かりそう。

チェルヴィニア

2人曳き。+16kg。遂に500kgだが、見た目にはそこ迄、太い印象はない。気配もこれでいいが、あとは歩様。この馬独特とはいえ、硬さは目に付く。ゲートよりも、出脚がなく後方から。道中は折り合っていて、リズムは悪くなかった。今日はスローで展開がなかったにせよ、直線で全く伸びず、ディマイザキッドにもやられていたのは頂けない。尤も、歩様が硬いので、33秒前半の脚がない気もしないでもない。今なら力の要る馬場の方が良さそう。

第60回農林水産省賞典京都大賞典(GⅡ)

ディープモンスター

今年は結構使われているが、歩様に硬さが出て来ないのがいい。馬体の張りも有って、高値安定。ゲート五分。この馬の出脚で無理せず中段のイン。道中は前向き過ぎる位の行き振り。折り合い面だけをいえば、もっとバラけた位置で乗った方が良かっただろうが、雨が降って各馬が嫌がる中で、この位の気性で丁度良かった印象。直線に向いて、ラスト200mからの脚で抜け出して、重賞15回目の挑戦で初制覇。今日は距離延長でどうかと思ったが、枠順も含めて、全てが上手く行った。勝てる時はこういうモノ。斤量面を考えると、今後は主戦場のローカル重賞を使い辛くなった感もない訳ではないが、今日のメンバーで勝てたのは自信になった筈。GⅡでも。

サンライズアース

2人曳き。前後肢にバンテージ。+4kg。良くいえば、重厚感の有るタイプだが、今日の感じだと流石に重たいか。歩様はこんなモノだが、これも絞れて来れば、もっとキレが出て来そう。ただ、以前よりイレ込みがマシになった。誰も行かず、出脚に余裕が有ったことも有り、ならばとハナへ。1000m通過60.1秒と丁度いいペースで逃げられたが、3角からドゥレッツァにプレッシャーを掛けられていた為か、コーナーで外へ張り気味。これで外に居た馬が死んで、ディープモンスターに進路をやってしまった。それでも直線は一瞬、ヴェルミゼルにやられそうになりながらも2着に踏ん張っており、中々渋太い。これもGⅡ級の力は有る。コーナリングは京都のコース形態の問題も有り、目を瞑るにしても、勝ち切るにはもう少し決め手が欲しいところ。

ヴェルミセル

2人曳き。ここへ入ると、馬自体が明らかに格下。毛ヅヤや馬体の張りは問題ないが、歩様が甘いのも気になった。出遅れ1馬身不利。直ぐ内へ誘導して、後方から。道中の折り合いは付いていた。4角はディープモンスターの直後。直線に向いて、一瞬は2着有りそうな勢いだったが、最後の最後に鈍った分の3着。ゴールドシップ産駒だけ有って、こういう他馬にとって都合の悪い馬場状態は強い。ただ、馬格がないので、最後にパワー差が出てしまっているのも確か。連迄、持って来るにはもう少し成長が欲しい。

アドマイヤテラ

2人曳き。この距離の馬にしては、少しテンションが高いのは何時ものこと。馬体も迫力の有る感じではないが、これで走れている。ゲートは五分に出たが、3枠2頭に出脚でやられ、更に外から次々と来られて中段。馬がその辺りを気にした様で、序盤は行きたがっていたが、外へ持ち出してからは少しズブい位の追走。今日はリズムが悪かった。ペースが遅いので、人気を背負って早目に捕まえに行く策も仕方がないのだが、サンライズアースが4角で外へフクれたことで、更に遠くなってしまい、この馬の仕掛けのタイミングと丁度かち合ってしまったのもアンラッキー。何とか掲示板には踏ん張ったが...。こういう渋い馬場も向かないのだろうが、それ以上に今日は展開が向かず。次走改めて。

ショウナンラプンタ

数字は似た様なモノだが、前走阪神戦の方が雰囲気は良かった。馬体の張りや歩様の力強さの点で劣る。ゲート開いて外へヨレ、出脚が付かず後方から。向正面に入って、徐々に押して、4角で中段。4角の回り脚は悪くなかったが、それ迄の行き振りがもうひとつ。今日はアドマイヤテラと並走位の位置でないと勝負にならない。尤も、今日はその位置に居たら、外に飛ばされる形になっていた筈で、どっちにしても厳しかったか。やはりもう少し決め手が欲しいところ。その点ではもっと距離が有った方が誤魔化しが利く。

ドゥレッツァ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+10kg。数字分だけ重たい。前走阪神戦は馬体にメリハリが有って、歩様にもキレが有ったが、今日は全体に緩慢。好発も出脚が苦しく、何とか中段。1角で外へ出して、向正面半ばから一気に前へ。3角手前でサンライズアースと並走の形。今日のペースなら作戦自体は間違っていないが、直線は全く伸びず。デキが本当ではなかったか...。絞って改めて。